薬物相互作用による血液脳関門輸送系・排出ポンプ機能修飾と薬物中枢移行変動
Project/Area Number |
10877388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 郁巳 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20155237)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血液脳関門 / トランスポーター / P-糖蛋白質 / ノックアウトマウス / 異物排出トランスポーター / 薬物相互作用 / 脳毛細血管内皮細胞 |
Research Abstract |
P-糖蛋白質(以下P-gp)に代表される異物排出型トランスポーターが血液脳関門として働いていることが明らかになってきた。P-gpを介した薬物間相互阻害は脳内薬物濃度を上昇させ中枢副作用に結びつく可能性が高い。本研究ではP-gpならびにその他同様な機能を有する脳外排出型トランスポーターの機能解析ならびに薬物動態的重要性の評価を目的として、以下に示す結果を得た。 1. 血液脳関門P-gpの薬物動態的重要性について、本蛋白機能を欠損する遺伝子欠損マウス(以下ノックアウトマウス)において脳中濃度/血漿濃度比Kpが正常マウスに比して有意に大きな値を示した薬物は、azasetron,carebastine,chlorpromazine,cyclosporin A,digoxin,daunomycin,ebastine,glepafloxaxin,podophyllotoxxin,quinidine,vinblastine,taxolであった。これらの薬物の脳移行はP-糖蛋白質の排出輸送により制限されていることが分かった。 2. Digoxinの脳を含めた組織移行性と体内からの消失を、正常マウスおよびノックアウトマウス間で比較し、その時間推移を生理学的薬物速度論モデルで解析することに成功した。その結果、脳以外に心臓および筋肉組織においてdigoxinの移行がP-糖蛋白質発現欠損により影響を受けることが分かった。また、digoxinの脳移行がcyclosporin Aなどの併用によってノックアウトマウスの脳レベルにまで増大することが確認できた。 3. 妊娠ラットにおけるP-Phenylbenzoic acidの体内動態を生理学的薬物速度論モデルで解析した。母体に比して胎児の脳への移行が増大していることから、血液脳関門透過にモノカルボン酸トランスポーターの関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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