Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
11年度の目的は,実際の障子に近い大型モデルを作製して,実際の住空間における(1)断熱効果,(2)調湿効果,(3)光の効果を明確にすることと,(4)紫外線の反射量および透過量を明確にすることである。 大型モデルを作製する過程で,幸いなことに,大型ゴミで捨てられていた障子を4枚得て,研究室の窓に設置し,温度や湿度など種々の実験を行った。また,紫外線の反射量や透過量を測定する装置も作製して,若干の検討を行った。得られた結果は以下の通りである。 (1) 窓に入れた障子程度で部屋の温度や湿度に変化があるのかという疑問が時々発せられているが,寒い冬季や梅雨時では,明確な差異が認められた。すなわち,障子を設置したことにより,冬季では室温が約1.5℃高くて相対湿度が約5%高く,一方梅雨時では,相対湿度が約5%低い値が得られた。この結果,冬季には暖房をつけても喉が痛くなることがなくなった。また梅雨時には,研究室が湿気て,コンピューターの作動上,若干の不都合が生じていたが,障子設置後,そのようなことも生じていない。なお,研究室に訪れた人達の話によると,採光面や,心理的な面でも良いと好評であった。 (2) 障子があると,ないときよりも部屋全体が明るいとの報告があるため,研究室や和室を用いて採光に関する種々の検討を行った結果,一般にいわれていることを確認することができた。 (3) 紫外線については,測定値にばらつきがあるものの,他材料との比較を行ってみた結果,障子紙は透過率・反射率とも概して高い値を示した。これは,最近の障子紙には蛍光塗料が混入されているものが多いためで,障子が紫外線の反射や透過でどれだけの意味を持つのかを明確にすることはできなかった。
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