Axinを介入するβ-cateninの分解機構の解析
Project/Area Number |
10878107
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | Axin / β-catenin / Wntシグナル伝達 / Tcf / SW480細胞 |
Research Abstract |
AxinはWntシグナル伝達系抑制因子として同定されたが、その作用機構は不明であった。本研究ではAxinのWntシグナル伝達系における役割を解析した。SW480細胞はAPCのC端側半分が欠損しているために、β-cateninが分解されずに細胞質に蓄積している。このSW480細胞にAxinを発現させるとβ-cateninが著しく減少した。また、COS細胞にAxinを発現させるとパルスラベルされたβ-cateninの半減期が短縮した。したがって、Axinがβ-cateninの分解を促進することは決定的である。Axinのdeletion mutantsをSW480細胞に発現させるとN端側300個のアミノ酸を除去した場合はAxinのβ-catenin分解能には変化が無かったが、C端側100個のアミノ酸を除去するとAxinのβ-catenin分解能は消失した。この部位にはDIXドメインが含まれているので、DIXドメインはAxinの機能に重要であると考えられた。Wntシグナルがβ-cateninの安定化を促進することはよく知られている。そこで、AxinのWntシグナル依存性のβ-catenin蓄積に対する影響を調べるために、L細胞にAxinを恒常的に発現させた細胞株を樹立した。本細胞株にWnt-3aを作用させてもβ-cateninの蓄積は観察されなかった。転写因子のTcf-4はβ-cateninにより活性化される。野生型のL細胞ではWnt-3aはTcf-4を活性化したが、Axinを発現させたL細胞では活性化されなかった。これらの結果から、AxinはWnt依存性のβ-cateninの蓄積とTcfの活性化を抑制することにより、Wntシグナル伝達系を制御すると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)