ランチビオティックnukacin ISK-1のペプチド工学と膜結合モチーフの解析
Project/Area Number |
10F00099
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM M.R. 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ランチビオティック / nukacin ISK-1 / 異常アミノ酸 / 等温滴定型熱量計 / ランダム変異導入法 / 抗菌ペプチド / ペプチドデザイン / 分子設計 / 翻訳後修飾 / MALDI-TOF/MS / ランチビオティックの分子設計 |
Research Abstract |
Nukacin ISK-1は、抗菌活性や構造安定性に重要である3つのランチオニン環(Ring A,B,C)を持っている。我々はnukacin ISK-1構造遺伝子のランダム変異導入により変異体ライブラリーを構築し、その中で抗菌活性が増強、低下または消失する変異体の取得に成功している(Islam et al.,Mol.Microbiol.,72:1438,2009)。本研究では、nukacin ISK-1中のring A領域に着目し、この環構造が抗菌活性および細胞壁前駆体であるlipid IIへの結合に及ぼす影響を解析することを目的とした。 Nukacin ISK-1 (WT)およびringA変異体(D13E、高活性;D13A、低活性;C14S(ring Aを破壊した変異体)、活性なし)を作用させたS.aureus SG511細胞内の細胞壁前駆体蓄積を解析した結果、WTとD13Eでは顕著にUDP-N-acetylmuramyl pentapeptideが蓄積していた。また、細胞壁前駆体lipid Iおよびlipid IIはnukacin ISK-1の抗菌活性を阻害した。さらに等温滴定型熱量計を用いてnukacin ISK-1やその変異体とlipid IIとの結合を定量的に解析した。WTとD13Eは同程度の親和性を示した(WT、K_D=0.17μM;D13E、K_D=0.19μM)。一方、D13Aは低い親和性を示し(K_D=3-4μM)、C14Sは結合が見られなかった。以上の結果から、nukacin ISK-1はring Aを介してlipid IIと結合し細胞壁合成を阻害することで抗菌活性を示すことが明らかになった。本研究は、nukacin ISK-1を含むランチビオティックのサブタイプにおいて初めてlipid II結合モチーフを見出したものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)