スピン検出走査トンネル顕微鏡を用いた表面ナノ磁性研究
Project/Area Number |
10F00322
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小森 文夫 東京大学, 物性研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KRUKOWSKI Pawel 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 窒化物 / ナノ構造 / 磁性 / X線光電子分光 |
Research Abstract |
化学的に安定な窒化物ナノ磁性体規則配列の磁性解明を目指して、Cu(001)表面上に窒化クロム(CrN)規則ナノ構造を作製する方法を研究した。バルクのCrNは、岩塩型の結晶構造をもち、低温で反強磁性となる化合物である。固体表面に形成したCrN超薄膜は、その基板の格子定数に応じてバルクのCrN結晶とは異なる磁性を持つことが理論的に予測されている。バルク結晶とは格子定数の異なる基板上に窒化クロム薄膜を形成すれば、歪緩和機構によって興味深い磁性をもつ規則ナノ構造ができると期待される。そこで、これまで単原子層窒化物ナノ構造が観察されているCu(001)表面を基板に用いた。 実験では、超高真空中で清浄なCu(001)表面上に、まず、低エネルギーイオン注入の方法で表面に窒素原子を導入する。その上に金属クロムを蒸着し400~500℃程度でアニールすることにより、単原子層の窒化マンガン薄膜を作製した。表面構造解析には走査トンネル顕微鏡および低速電子回折を用い、組成分析にはX線光電子分光を用いた。ナノ磁性体規則配列を実現するために、窒素吸着量、クロム蒸着量およびアニール温度を系統的に変化させて実験を行った。その結果、アニール温度が400~430℃とした場合にのみ、単原子層のCrNナノアイランド(4x4nm^2)規則配列ができることをみいだした。この規則配列は、既に報告のあるMnNナノアイランド配列と類似しており、その場合と同じように格子歪を解消するCrN島間の短距離力によって周期構造が形成されたと考えられる。一方、このCrNナノアイランド配列では、その高さに2種類あるなどMnNの場合とは異なる点もあり、MnN薄膜と比較して、CrN薄膜の格子歪が小さいことが原因で、新奇なナノ構造が形成されていると考えられる。この規則ナノ構造は熱的に不安定であり、アニール温度をさらに高くすると、Cr_2Nの組成をもつ島構造が不規則に作製され、磁性に興味がもたれるCrN単原子膜は、高温では次第に分解してしまうことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、規則ナノ構造の磁性研究を最後に行う予定であったが、測定を始める前に外国人特別研究員の期間が終了した。これは、東日本大震災によって走査トンネル顕微鏡を用いた研究に遅れが生じ、規則ナノ構造の実現に時間がかかりすぎたことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
遷移金属窒化物超薄膜ナノ構造は、格子定数に依存した局所磁性が多様で興味が持たれている。今後、スピン分解走査トンネル顕微鏡を用いて、この研究を新しい局所磁性の研究へと発展させていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)