Project/Area Number |
10F00501
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
長尾 忠昭 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOANG C. V. (独)物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
HOANG C.V. (独)物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
HOANG Chung Vu (独)物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | ナノアンテナ / 赤外プラズモン / EELS / 赤外吸収分光 / アンテナ / センシング / プラズモン / DNA / 赤外分光 / プラズモン増強赤外吸収 / 低エネルギー赤外プラズモン / センサー材料 / ナノ構造制御 / 原子鎖 / 低次元金属材料 |
Research Abstract |
本研究では、赤外の共鳴周波数を持つ金属ナノアンテナについて、光・電子の両プローブ法を用いて計測し、原子スケール、ナノスケール物質の電磁応答特性を解明する。半導体結晶表面上に分子線エピタクシー法により金、Agあるいはインジウム、鉛などを蒸着し、製膜条件の違いによりサイズや形状を変化させたナノ構造を製作し、電子線及び赤外線によるスペクトルを測定し両手法による結果を比較し関連性を明らかにする。Hoang特別研究員の滞在期間中に、赤外線により測定された定在波モードとEELSにより計測された伝搬型モードとの分散曲線がよく一致し、ナノワイヤーの長さやナノディスクの直径に対応した閉じ込め型の定在波プラズモンとして理解できることを明らかにできた。また、Hoang研究員はプラズモンアンテナの応用研究にも精力的に従事し、Auナノアイランドの集積体である広帯域ナノギャップアンテナ電場増強効果を利用し、DNAアプタマーを介した水銀イオン(II)の検出実験などにも貢献した。例えば研究所近隣にの土浦市ある霞ヶ浦の水を採取し、抽出処理を行なわずに直接の検出を試みた結果、ppbレベル以下の低濃度で選択的に検出できることを確認している。また、Auを材料としたボウタイ型ナノアンテナの製作を行い、基盤に直接固定した場合と、SiO2のポストに担持し、下地から離した場合とではアンテナ間の相互作用が異なることを、暗視野顕微分光測を用いて明らかにしている。また、Hoang氏は東京工業大学(山本直樹研究室)との共同研究の機会を自ら開拓し、高速EELSとカソードルミネッセンスの実験を進めている。なお、本年度は特許取得2件、論文発表8件、招待講演11件、書籍2件の外部発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プラズモン共鳴の基礎物性に関してはほぼ予定通りに進展し、原子スケール、ナノスケール、孤立系、集積系、規則系、ランダム系、など様々な構造と材料に対してデータが蓄積され、電子線と赤外分光との対応関係が明らかになった。また、センシングに関するサブプロジェクトにおいて、湖沼の水における水銀イオンのセンシングが、予想外に簡便かつ高感度で行えることが分かった。ボウタイアンテナの研究は装置の改良も進め、個々のナノアンテナ構造のスペクトルを0.3μm以上の一分解能で観測が可能となり、今後の展開に大いに期待が持てる。
|
Strategy for Future Research Activity |
自己組織化を用いるナノ構造制御技術、リソグラフィーをベースとした構造制御技術、またそれらを融合した技術を用い、原子スケール、ナノスケールからマイクロスケールのプラズモン構造の設計と製作について豊富な知見が蓄積でき、また電子線と光による励起に違いについて理解が進みつつある。今後はこの知見を活用し、貴金属以外の碑金属や半導体、有機材料との複合化も進め、センシングのみならず、物質変換とエネルギー変換材料への応用に向けた多角的な料探索とデバイス創成を進めて行く必要があると考えている。
|