動的構造因子による室温イオン液体の構造とダイナミクスの解明
Project/Area Number |
10F00750
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Niigata University (2012) Kyushu University (2010-2011) |
Principal Investigator |
梅林 泰宏 新潟大学, 自然科学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BABAK Minofar 新潟大学, 自然科学系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | イオン液体 / 集団的ダイナミクス / 動的構造因子 / 粘性 |
Research Abstract |
イオン液体は常温で液体の有機物塩であり、不揮発性や難燃性という環境や生態系に好ましい性質を持ち、水や非水溶媒に変わる第3の新たな溶媒・液体として、特に電解質としての応用は環境に調和した安全で高いエネルギー密度の蓄電・発電デバイスに資すると期待されている。一方、その最も重要な物性であるイオン伝導や粘性は、水や非水溶媒同様に、分子レベルで理解できたとはいいがたい。近年の液体理論によれば、液体の粘性は、静的および動的構造因子で記述することができ、中性子やX線散乱実験により明らかにできるものの、時間・空間スケールには制限がある。本研究では、イオン液体の集団的ダイナミクスを中性子準男準弾性散乱やスピンエコー実験、X線非弾性散乱に加え、低波数Ramanおよび遠赤外分校実験など実験的に明らかにするとともに、MDシミュレーションにより原子レベルで解明する。 具体的には、 1)動的構造因子によるイオン液体ナノ相分離構造の解明:中性子スピエコー実験から評価した動的散乱因子(中間散乱関数)および粘性率周波数依存性の解析を進め、分子論に立脚する液体理論に基づき緩和過程の空間・時間スケールを解明し、MDシミュレーションと比較検討した。 2)イオン液体の液体構造に及ぼすアルカリ金属イオン添加効果:イオン液体中の金属イオンの伝導機構を解明するには、イオン半径依存性を明らかにする必要がある。溶媒和構造を明らかにした一連のアルカリ金属イオンのイオン伝導率や粘性率を明らかにし、低波数Ramanおよび遠赤外分光により集団的ダイナミクスを明らかにした。 3)硝酸エチルアンモニウム(EAN)の構造とダイナミクス:OH基を導入した硝酸エタノールアンモニウム(EtAN)は、最近、バイオコンパチブルイオン液体として注目されている。実空間分解能の高いSPring-8高エネルギーX線回折実験およびMDシミュレーションにより最近接イオン間相互作用を明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)