Project/Area Number |
10J00394
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永長 誠 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ロジウム / 不斉付加反応 / キラルジエン配位子 / 反応速度解析 |
Research Abstract |
ロジウム-テトラフルオロベンゾバレレン触媒を用いた不斉反応として、β-アルコキシアクリル酸エステルに対するアリールボロン酸の不斉付加反応を報告した。ホスフィン配位子を用いた場合はそのような反応はほとんど進行せず、キラルジエン配位子に特異的な反応であるといえる。キラルジエン配位子の中でも、フェロセニル基を置換基として持つFc-tfb^*を用いることで、99.5%以上という非常に高いエナンチオ選択性を達成した。この反応の生成物は、簡単な変換によりβ-ヒドロキシカルボン酸へと光学純度を損なうことなく誘導でき、生理活性化合物の合成などへと展開できる可能性がある。 また、ロジウム-ジエン触媒によるアリールボロン反応剤の1,4-付加反応の速度論の研究を行った。以前の当研究室での研究により、ビスホスフィン配位子であるbinapを用いた場合と比べ、ジエン配位子であるcodを用いた場合により速く反応が進行することが示されており、それぞれの触媒系における速度定数が求められていた。今回、塩基の添加効果およびキラルジエン配位子を用いた場合の速度定数を求める実験を行った。まず、塩基の添加により、律速段階であるトランスメタル化が10倍程度促進されることが示された。この結果は、宮浦らによる報告とよく一致するものである。また、キラルジエン配位子を用いた場合は、ロジウム錯体が触媒活性を示さない二量体になりやすいこと、およびその平衡定数やトランスメタル化の速度定数がキラルジエン配位子の置換基により大きく異なることが示された。このような反応速度の定量的な解析をキラルジエン配位子を用いて行ったのは初めてであり、今後の触媒設計に重要な示唆を与える結果であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな触媒反応を報告するとともに、速度論の研究により素反応や反応機構に関する研究も行った。そのため、ほぼ期待通りの研究が出来たと評価できる。
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