大強度ビームを用いたニュートリノ振動実験「T2K」での電子ニュートリノ探索
Project/Area Number |
10J00423
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 明 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 素粒子物理 / ニュートリノ / 実験 / 測定器 |
Research Abstract |
本研究は、T2K(Tokai-to-Kamioka)長期ニュートリノ振動実験実験において、ニュートリノ振動現象の解明行うものである。その目的は、ニュートリノ振動現象の解明を通じて、物理学最大の謎である宇宙の物質優勢の解明を行うことである。当初の研究目標は、ニュートリノ振動現象の中で未発見だった電子ニュートリノ出現現象の世界初観測を通じて、ニュートリノ物理の謎を解明することだった。しかし、T2K実験の状況、他の国際実験の成果を踏まえて、ニュートリノ物理解明の上でよりインパクトのある成果を残すために、研究対象をミューオンニュートリノ消失現象の精密測定に切り替えた。最終的には世界最高峰の測定精度を達成し、ニュートリノ物理解明において非常に大きな貢献をした。T2K実験における振動現象の精密測定には、ニュートリノフラックスと反応断面積の予測精度が必須である。ニュートリノフラックス予測の主な不定性は、陽子と炭素標的反応でのハドロン生成断面積のモデルの不定性が起因している。また、T2K実験ではニュートリノビームの方向の不定性がフラックスの不定性に影響する。そこで、スイスのCERN-NA61/SHINE実験でのハドロン生成断面積測定の結果を用いてハドロン生成モデルの不定性を抑えると同時に、様々なニュートリノビームモニターを用いて、良い精度でビーム方向を測定・制御した。 2010年1月から2012年6月までのデータを使用し、観測した58のミューオンニュートリノ事象を観測した(予測数は57.97)。ミューオンニュートリノ消失現象に関係するモデルパラメータ(sin^22θ_<23>,△m^2_<32>)=(1.00^<+0.00>_<-0.04>,2.45±0.19×10^<-3>[eV^2])と求め、sin^22θ_<23>に関して、世界最高峰の測定精度を達成した。この成果は、宇宙の物質優勢の謎の解明に大きな貢献をした。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)