環状ニッケル錯体を鍵とするアルデヒドへの炭素-水素結合付加反応
Project/Area Number |
10J00523
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
星本 陽一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | ニッケル / ヒドロアシル化反応 / 環状ニッケル錯体 / アルデヒド / アルケン / 環状ケトン / ティッシェンコ反応 / 交差ティッシェンコ反応 / エステル |
Research Abstract |
本研究は、環状ニッケル錯体を鍵中間体とするアルデヒドの新規分子変換法の開発を目的としている。昨年度までの成果として、環状ニッケル錯体を鍵中間体としたアルデヒドとアルケンのヒドロアシル化反応の開発を行ってきた。本年度は、主に、量論反応や反応速度論を用いた機構解明を行った。 これまでに報告されてきたアルケンの分子内ヒドロアシル化反応は、積極的な研究開発と応用がされてきたにも関わらず、鍵中間体である金属アシル種からの脱カルボニル反応を完全に抑制することが出来なかった。そもそも、ヒドロアシル化反応の歴史は、脱カルボニル反応をいかにして抑制するか、そのための新反応開発にそって発展してきた。しかしながら現在においても、脱カルボニルを完全に抑制できる反応系の開発は達成されていない。本研究では、0価ニッケル上でアルケンとアルデヒドが酸化的環化することにより生じる環状ニッケル錯体が、ヒドロアシル化反応における新規の触媒になることを見出した。本触媒系は、金属アシル種を経由しない反応系であるため、脱カルボニル反応を完全に抑制することが出来る初めての触媒系である。基質適用範囲も広く、従来のヒドロアシル化反応では難しかった六員環環状ケトンの合成も達成することが出来た。 量論反応により、本反応の鍵中間体である環状ニッケル錯体を単離し、構造決定を行った。更に、単離した環状錯体を用いて確かに触媒反応条件下において生成物の環状ケトンが得られることを確認した。また、反応速度論に関する実験結果、および重水素標識実験の結果からも、環状ニッケル錯体経由で反応が進行していることを確認した。これらの結果は、ヒドロアシル化反応の開発において、反応系の新たな設計指針を与えるものであり大変意義深い。
|
Report
(3 results)
Research Products
(9 results)