Project/Area Number |
10J00584
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 隆文 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 低温合成 / 平面四配位 / ペロブスカイト / 鉄酸化物 / 高圧 / スピン転移 / 構造相転移 / 元素置換 |
Research Abstract |
低温合成を用いた新規複合酸化物の合成を行った。 具体的には平面四配位鉄を持つ無限層鉄酸化物SrFeO_2のSrサイトをより大きなBaで置換することにより,負の化学圧力効果を調べた。(Sr_<1-χ>Ba_χ)FeO_2(0≦χ≦1)は,高温固相反応で得られるペロブスカイト鉄酸化物(Sr_<1-χ>Ba_χ)FeO_<3-δ>δ≦0.5)を母体として,還元剤であるCaH_2やNaHを低温(<400℃)で反応させることにより,0≦χ≦1のすべての範囲で合成することに成功した。 (Sr_<1-χ>Ba_χ)FeO_2ではχ≦0.3の範囲でSrFeO_2と同様の無限層構造を保つのに対し,χ≧0.4で構造相転移を起こし,過去に報告のない新しいタイプの欠損型ペロブスカイト構造となった(BaFeO_2構造)(2012年J. Am. Chem. Soc.誌)。今までの報告された鉄平面四配位を持つ物質では他の配位状態と共存する物質がなかったのに対し,BaFeO_2構造では平面四配位と八面体配位,三角配位などが共存している。このことは今後,鉄の平面四配位と他の配位状態を組み合わせたもっと多くの物質を設計できる可能性を示している。すなわち既存の平面四配位鉄酸化物の枠組みを超えた新しい物質群を開拓したといえる。また,ABO_3の組成を持つペロブスカイト構造は無機物質において一般的な構造であり,組成の多様性と豊富な物性から盛んに研究が行われてきた。欠損を持ったペロブスカイト構造ABO_<3-δ>に関する研究もたくさんの報告があるが,多量に酸素が欠損したABO_2構造のバリエーションはほとんどなかった。その点で新しいABO2の構造を提示したことは,大変興味深く低温合成法の有用性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
低温合成法を用いて新規物質である(Sr_<1-x>Ba_x)FeO_2の合成に成功し、それらの興味深い構造や物性を見出すことに成功している。その結果が化学系で最高峰の雑誌の一つであるJ. Am. Chem. Soc.誌に掲載された。
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Report
(3 results)
Research Products
(23 results)