光格子中の混合量子縮退気体における多様な凝縮相の研究
Project/Area Number |
10J00827
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田家 慎太郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 冷却原子 / 光格子 / 量子シミュレーション / 縮退フェルミ気体 / モット絶縁体 / ボース・アインシュタイン凝縮 |
Research Abstract |
まず、前年度に行った光格子中のフェルミ原子173Ybによるモット絶縁体の実現に関して実験結果を吟味し、特に、ポメランチュク冷却として知られる断熱冷却効果がこの系に顕著に表れていることを明らかにした。 次に、光格子中の高分解能レーザー分光をYbのフェルミ同位体に適用する実験を行った。既に類似の手法をボース同位体に適用することに成功しているが、フェルミ同位体での実験は前例のない新たな試みである。初めに、蛍光観測に用いる光学遷移を従来よりも強い遷移強度を持つものに変更するための装置開発を行った。原子ビームの直接捕獲による発光の抑制、励起光の強度安定化などの改善も同時に施した。その結果、深い光格子中の171Yb原子集団からの分光スペクトルを高い信号対雑音比で観測することに成功した。そして、磁場の変化によってこの相互作用が変化することが示唆する重要な結果を得た。 最後に、従来の立方格子と異なる格子構造を持った光格子の作成に着手した。Lieb格子と呼ばれる格子は単位胞に3個の格子点を含み、そのバンド構造に平坦バンドとディラック・コーンと呼ばれる特殊な分散関係を持つことが知られている。平坦バンドにフェルミ粒子系を配置した系は平坦バンド強磁性などの興味深い多体現象を示すことが知られており、クリーンな光格子系での実現は意義のあるものである。Lieb格子を実現するため、前年度に構築した波長532nmと1064nmの2色の光格子からなる超格子に加え、新たに、直交する532nm光の干渉による光格子を追加する作業を行った。干渉計を組んで光路差にフィードバックを加えることにより、ポテンシャルの安定度を確認した。最後に、作成した格子ポテンシャルに174Ybボース凝縮体を導入し、特徴的な多重物質波干渉パターンを観測することに成功した。これにより、Lieb格子における興味深い多体問題に実験的にアプローチする準備を進めることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)