Project/Area Number |
10J00834
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Kyoto University (2011-2012) The University of Tokyo (2010) |
Principal Investigator |
酒匂 宏樹 京都大学, 数理解析研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 離散群 / 離散距離空間 / 確率測度 / 従順性 / 作用素環 / Coarse幾何 / 核型性 / フォンノイマン環 / 測度同値 / 軌道同地関係 |
Research Abstract |
私の一つ目の研究テーマは作用素環論である.作用素環とはヒルベルト空間に作用する線形作用素からなる複素代数である.20世紀前半に量子力学の数学的基礎付けのためにvon Neumannが考え出した.彼は物理量の数学的定式化のために線形作用素と線形作用素からなる代数を研究した.作用素環論はもともと数理物理学への応用を意図した分野である.私は作用素環論の新たな可能性を探るべく,作用素環によって与えられる群や距離空間の線形表現を研究している.群や距離空間の性質が作用素環の有限次元近似性質に反映されることがある.それをより詳しく調べることが私の研究の目的である. 近年、ネットワークの理論,コンピュータサイエンスとの関連で離散的な距離空間の研究が注目を集めている.しかしながら離散的な距離空間には位相がないので,調べる手段がまだ十分に整備されていない.今後の発展が期待される研究対象である.数学の研究では無限の対象をしらべるとき,何か大きな見方でとらえるのが自然である.空間の大規模構造をとらえる枠組みとして"Coarse同値"がよく採用されている.私はCoarse同値な距離空間を同一視して、距離空間の大規模構造を研究し成果を上げることができた. 私は二つのCoarse幾何的特性―特性A(Property A)と作用素ノルム局在性(Operator no localization property)―について研究を行った.これらの性質は作用素K-理論への応用のために定義された.特性Aを持つ距離空間について,Coarse Baum-Connes予想と呼ばれる性質が示されている.この性質はある種のAtiyah-Singer型指数定理である.また,作用素ノルム局在性もK理論(Coatse幾何的Novikov予想)への応用のために定義された性質である.研究の結果,一様局所有限な距離空間について二つが同値であることがわかった.証明では作用素環論,とくにC^<*一>環論の技術を用いた.一様離散距離空間は非常に多様なので一般的な定理が成り立つことはめったにない.本研究は発表の直後に引用されるなど大きなインパクトを与えている.離散距離空間の自然な線形表現として一様Roe環を用いることが多い.距離空間の大規模構造と一様Roe環の有限次元近似性質について研究を進めて成果を上げることができた.近似性質として核型性,完全性,局所反射性の三つが同値であることを証明できた.これは今までの成果を大きく一般化する成果である.
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)