Project/Area Number |
10J00905
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 幸祐 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シアノ架橋型金属錯体 / プロトン伝導 / 電気特性 / インピーダンス測定 / イオン伝導 |
Research Abstract |
2つのMn^<II>-N^<IV>オクタシアノ金属錯体Mn_2[Nb(CN)_8](3-pyridinemethanol)_8・2H_2O(1)およびMn_2[Nb(CN)_8](3-aminopyridine)_8・2H_2O(2)において配位構造と磁気相転移温度の関係を明らかにした。 1および2は、Mn^<II>とNb^<IV>が交互に架橋された3次元構造となっている。水分子はすべて結晶水であった。Mn^<II>とNb^<IV>それぞれについての最近接架橋金属イオンの数やMn^<II>の配位環境は2つの錯体で同じとなっているが、Nb^<IV>周りの配位構造は1がスクエアアンチプリズム、2がドデカヘドロンと異なっていた。インピーダンス測定より、各試料のσは、1が5×10^<-8>Scm^<-1>、2が4×10^<-6>Scm^<-1>であると見積もられた。 2つの錯体は構造がほぼ同じであるが、磁気測定の結果から、1および2は恥がそれぞれ24K、43Kのフェリ磁性体であり、T_Cが大きく異なっていた。分子軌道計算を行い、この違いを解析した。 1および2の[Nb(CN)_8]ユニットについて、DV-Xa法により分子軌道計算を行った。2つの錯体で電荷密度を比較すると、架橋シアノ基の窒素原子上の密度が大きく異なっていた。2のほうが大きな値を示しており、シアノ基のp軌道を介するNb^<IV>とMn^<II>の間の超交換相互作用がより強くなっていると考えられる。分子磁場理論より、2つの錯体はNb^<IV>周りの配位構造以外の構造はほぼ等しいので、T_Cの差は超交換相互作用に起因すると示唆された。以上の結果から、2つの錯体のT_Cの差はNb^<IV>周りの配位構造の違いから生じていると言える。
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