Project/Area Number |
10J00922
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生井 飛鳥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 磁性酸化物 / ミリ波呼吸 / 自然共鳴現象 / ナノ微粒子 / 磁気光学効果 / ミリ波吸収 |
Research Abstract |
本研究では、高周波ミリ波吸収特性を示すイプシロン型酸化鉄(ε-Fe_2O_3)をベースとした新規ミリ波吸収体の開発、およびテラヘルツ磁気光学効果の測定とデバイスの創製を目的に研究を行った。平成23年度に実施した研究について以下に述べる。 (1)自然共鳴の高周波化およびサブテラヘルツファラデー効果の観測:H22年度に引き続き、ロジウム置換型ε-Fe_2O_3の合成に関する研究を行った。その結果、よりロジウム置換を進めた物質を合成することができ、さらに保磁力が向上したことが分かった。 (2)自然共鳴現象の温度依存性:(1)に関連して、ε-Fe_2O_3およびその金属置換体における高周波ミリ波吸収メカニズムを検討するために、172GHzという高周波ミリ波領域に自然共鳴を示すε-Al_<0.06>Fe_<1.94>O_3について、ミリ波吸収スペクトルの温度依存性を測定し、得られたスペクトルを解析した。各測定温度でローレンツ型の共鳴吸収ピークが観測された。スピン再配列現象によって共鳴周波数及びスペクトル半値幅が変則的な温度依存性を示すことを見出した。 (3)高い電磁波吸収効率を示す物質の開発:電磁波吸収強度は電磁波吸収体の形状によって大きく影響を受けるため、電磁波吸収体の形状を考慮することが重要である。その計算の準備段階として、必要となるε-Fe_2O_3およびその金属置換体のミリ波領域の透磁率についてスピンの運動方程式を用いた解析を行い、透磁率を理論的に再現することができた。これにより、ミリ波領域での電磁波吸収体の設計が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題の目的に掲げている自然共鳴の高周波化を実現するためには、保磁力の向上が有効であるが、本年度はこれを達成することができた。また、アルミニウム置換型イプシロン酸化鉄におけるミリ波吸収スペクトルの温度依存性の測定から、その特異な磁気異方性の温度依存性が観測されたことは、イプシロン型酸化鉄の高周波ミリ波吸収のメカニズムを明らかにするうえで重要な知見が得られたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究代表者は東京大学大学院理学系研究科への就職により、平成23年11月15日をもって特別研究員を中途辞退しました。
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