Project/Area Number |
10J01284
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 裕 東北大学, 金属材料研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 結晶 / シンチレータ / 発光 |
Research Abstract |
本研究では、3ヘリウム資源の枯渇により、世界的に急務となっている3Heガス検出器の代替候補となる中性子シンチレータ材料の開発を目的としている。本年度においては、特に優れた発光量をしたセリウムを添加したCa_3(BO_3)_3及びCaB_2O_4結晶の発光メカニズムについて、パルスX線源とストリークカメラを組み合わせた独自の測定システムを用い、波長分解した上でのセリウムによるシンチレーション光の発光寿命を評価した。その結果、ホスト結晶の構造の違いにより、セリウムによる発光減衰成分の他に、格子欠陥由来の発光成分や格子欠陥経由過程による立ち上がり成分の遅延が確認された。本成果は、これまで試みられていなかった波長分解をおこなったシンチレーション減衰評価という新しいアプローチであり、その学術的意義は非常に大きい。もう一つの取り組みとして、本研究では、セリウムを添加したCa_3(BO_3)_3及びCaB_2O_4結晶のチョクラルスキー法による大口径化を行い、その特性を評価すると同時に、位置敏感型の微弱光検出器と組み合わせた中性子イメージャーを試作した。大口径化した上記の結晶はμ-PD法で材料探索したサンプルと同等の性能を示していることが確認されたため、本結晶をアレイ状に加工し、検出器とのアセンブリを行った。性能テストとして、試作したイメージャーを用い、JRR-3の中性子ビームによる熱中性子撮像実験を行った。信号及び画像処理を行った結果、熱中性子によるシンチレーション光が確認され、二次元画像を取得することに成功した。本研究の材料は、これまでのボレート系材料と比べても、極めて性能が優れており、学術的にも産業的にもその重要性は高いと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終的な研究目的としている結晶の大口径化と、その結晶と微弱光検出器を用いた中性子イメージャーの試作、中性子撮像に成功しているため、現在の研究の達成度としては非常に順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、応用面を考慮して、更なる性能の改善(発光量、蛍光寿命、α/β)を試みたいと考えている。
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