Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、好アルカリ性細菌Bacillus clausiiの環境適応型ハイブリッドべん毛モーター固定子MotAB複合体の結晶化およびx線構造解析を行い、イオン選択性における原子レベルでのメカニズムの解明とべん毛モーターの回転機構の解明を目的とした。さらに、共役イオンが変化する環境適応型べん毛モーターのビーズアッセイ法による1分子回転計測を行うことで、エネルギー変換における新たな知見を得ることを目指した。結晶構造解析においては、B.clausiiのMotAB複合体とともに好アルカリ性Bacillus属細菌に共通の固定子Motps複合体の両方を結晶構造解析のターゲットタンパク質とした。Motps複合体に関しては、よく単分散した高純度精製サンプルの調製に成功し結晶化を試みてきたが、得られた結晶はすべて界面活性剤由来のもので、タンパク結晶はまだ得られていない。現在、他の界面活性剤を検討するとともに、脂質膜を用いた2次元結晶の作製を行っている。一方、B.clausiiのMotAB複合体に関しては複合体での発現が困難であるため、モーターへの組み込みに重要とされているMotBタンパク質のC末端側ドメインの精製および結晶化を試みた。その結果、いくつかの条件下においてタンパク結晶が得られたが、構造解析に至るほどの分解能を有していなかった。現在、結晶化条件の最適化を行い、構造解析に適した結晶の作製を行っている。1分子回転計測では、H^+とNa^+をそれぞれ共役イオンとして利用する固定子MotABとMotPSの両方を持つBacillus subtilisの系で測定を試みた。その結果、MotPSはMotABに比べ、最大トルクおよび最高速度が低いことが分かり、べん毛基部体に組み込まれにくく、チャネル活性も低いことが示唆された。現在、これらを指標に、B.clausiiのMotABを発現させ、測定中である。
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PLoS One
Volume: 7 Issue: 9 Pages: e46248-e46248
10.1371/journal.pone.0046248
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/jpn/general/lab/02/