相転移と形状記憶物質の数理モデルにおける定常状態とその安定性
Project/Area Number |
10J01460
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田崎 創平 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 相転移 / 熱粘弾性体 / 相分離 / 脂質二重膜 / 非線形偏微分方程式 / 変分法 / 分岐 / 安定性 / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
非平衡熱力学に現れる数理モデルの研究を行った.特に,申請者が形状記憶合金の数理モデルにおいて得ていた結果が普遍的に成り立つものであることを示した.そのために,形状記憶物質やポリマー物質を含む,広範な熱弾性体に関する熱力学的に矛盾のないシステムを構築した.このシステムにおいて,対象に応じて自由エネルギーおよび散逸ポテンシャルを適当に設定することでモデル方程式が導出される.この一般的なシステムにおいて,二つの双対的な変分構造があり,その間に安定性に関する比較構造が存在することを示した.この結果は例えば,保存系では温度ではなく保存量が定常状態の安定性を定めていることを意味しているが,各々のモデル方程式を分岐理論などを用いて詳しく解析していくときに応用することもできる重要なものである. 脂質二重膜における微小ドメインの形成は,生体膜においても重要な役割を担っていると考えられている.このような脂質二重膜内の形態を考察するため,相分離する弾性膜を記述するシステムを考え,数値計算および数学的解析を行った.弾性的相互作用が膜内ドメイン構造を作り,二層間相互作用が脂質組成の対称・非対称を制御している.適当に単純化したシステムを定式化し,得られる定常状態に関するいくつかの数学的性質を明らかにした.特に,定常解の二次分岐構造を提示し,この構造によって弾性的相互作用が膜内ドメイン構造を安定化していることを明らかにした.
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)