Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
申請者の研究テーマである初代星は宇宙で最初にできた天体である。初代星がいつ、どうやって生まれ、どのような性質を持つのか、というのは宇宙物理における大きな問題の一つである。しかし、初代星は非常に遠方にあり暗いため、この問題を解く手法は確立していない。このような背景のもと、申請者は初代星の起こす高エネルギー天体現象に着目して研究を進めている。特に、数値シミュレーションを用いて初代星の重力崩壊の計算を行い、その際に起こすと考えられるニュートリノ・重力波放射やガンマ線バーストについての観測可能性を追求することを目標に据えた。今年度の成果としては、以下がある。[1]重力崩壊のシミュレーションに新たにニュートリノ輻射輸送を組み込んだ[2]初代星がガンマ線バーストを起こす可能性を明らかにしたそれぞれの具体的な成果を以下で述べる。[1]これまで我々の計算では、ニュートリノ冷却を取り入れていなかったが、加熱は計算することができていなかった。加熱を計算するにはニュートリノ輻射輸送を徳必要があり、計算コードの大規模な書き換えが必要であった。今年度、ニュートリノ輻射輸送を解くコードの開発に成功し、現在はプロダクトランのフェーズに入っている。[2]初代星はその進化の最終段階においてガンマ線バーストと呼ばれる爆発現象を起こすことが期待されていたが、実際に起こせるのかどうかの研究はこれまでなかった。我々は初代星の密度構造から、ガンマ線バーストを起こすのに必要なジェットの計算を行い、初代星がガンマ線バーストを起こすことのできる可能性を明らかにした。
All 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)
Astrophys.J.
Volume: 726
Publ.Astron.Soc.Japan
Volume: 62