多核金属クラスターおよび金属アルコキシドを用いた酵素機能を有する新規触媒系の開発
Project/Area Number |
10J01533
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 結希子 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金属クラスター / 亜鉛 / コバルト / 触媒 / エステル交換反応 / 酵素類似機能 / 金属アルコキシド / アミド化反応 / 人工酵素 / エステル-アミド交換反応 / 協同効果 |
Research Abstract |
エステルおよびアミドは医薬品やポリマーなどの有機合成製品に多く見られる重要な官能基であり、これらの汎用的かつ実用的な合成法の開発は重要な研究課題である。本グループは以前に亜鉛四核クラスター触媒、Zn4(OCOCF3)60がエステル交換反応に対して優れた触媒活性を有することを見出し、様々なエステル化合物の効率的合成を達成している。さらに、本クラスター触媒を用いてアミノ基の共存条件において求核性に劣る水酸基を選択的にアシル化することに成功している。このような化学選択的反応の開発は、有機合成プロセスにおける工程数の削減に大きく寄与するものであり、コスト、エネルギーの削減にも繋がることから、環境調和・省エネルギーが叫ばれている昨今の産業界においては非常に需要の高いものである。 このような背景から、研究代表者は亜鉛四核クラスターの高い触媒活性とユニークな化学選択性に関心を抱き、さらに高機能な触媒を開発するための基礎研究として、反応機構研究を行った。化学選択性の発現について様々な金属を用いた調査を行ったところ、亜鉛の他に、コバルト、鉄、銅などの金属を用いた場合にも水酸基選択性が発現することを見出した。その中でも最も触媒活性に優れていたコバルトを最適金属と決定し、触媒のスクリーニングを行った結果から亜鉛四核クラスターの構造類縁体であるコバルト八核クラスター、[Co4(OCOR)60]2を最適触媒として決定し、水酸基選択的アシル化反応の反応機構研究を行った。 種々検討の結果、コバルト八核クラスターによるエステル交換反応の触媒活性中間体としてコバルト二核錯体を単離した。この錯体を用いて各種分光学測定、速度論解析などを行ったところ、本反応は金属酵素と同様のコバルト二核サイトによる両基質の活性化を経て進行していること、また、反応の進行には求核剤の脱プロトン化過程が重要であり、化学選択性の発現には触媒のルイス酸性およびブレンステッド塩基性が大きく影響することを明らかとした。
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Report
(3 results)
Research Products
(23 results)