Project/Area Number |
10J01552
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 恵理子 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ステロイド / シスデカリン / ラジカル環化 / ドミノ環化 / アルカロイド / 鈴木-宮浦カップリング / 全合成 / ドミノ環化反応 |
Research Abstract |
シス縮環を有するステロイドは天然に広く分布し、強心配糖体、胆汁酸や昆虫ホルモンなど、興味深い活性を持つものが知られている。ステロイド骨格を有するアルカロイド、バトラコトキシンは、南米コロンビアの熱帯雨林に生息するヤドクガエルPhyllobates属から単離、構造決定され、陸上生物から単離された非タンパク系有機化合物の中で最も強力な毒性を有する。バトラコトキシンは、その構造の複雑さから、多くの合成化学者のターゲットになっているが、未だ全合成は達成されていない。本研究では、立体選択的にバトラコトキシンを合成するため、バトラコトキシンの4環性骨格を構築したのちに、N、0を含む7員環を形成し、さらに側鎖を導入して全合成を達成するとともに、本研究で得られた知見をもとにした、ステロイド骨格の一般的かつ簡便な構築法の開発を計画した。 高度に官能基化されたステロイド骨格の効率的な合成のため、ラジカルドミノ環化によるシスデカリン骨格の構築を検討した。p-トルアルデヒドから6段階で導いたβ-ケトエステルに対し、酢酸中、二酸化マンガン、酢酸銅を用いて環化を試みたところ、環化は進行したものの、望まないトランスデカリンが主生成物として得られた。また、ベンゼン環上置換基の違いによる選択性に大きな差はなかった。溶媒にエタノールを用いたところ、シス/トランス比はほぼ1対1に改善した。酢酸銅に代えて銅トリフラートを用いたところ、tert-ブチルアルコール中、室温で反応は速やかに進行し、望むシスデカリンを主生成物として得ることに成功した。さらに検討した結果、添加剤としてトリフルオロメタンスルホン酸およびイッテルビウムトリフラートを用いたところ、シスデカリンを良好な収率・選択性で得ることに成功した。
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