Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
平成24年度においては,研究課題であるペダリング運動と電気刺激治療の併用による効果に関して,回復期脳卒中患者を対象とし,歩行能力に対する効果を検証することを目的に多施設共同研究を開始した.本年度は35症例で評価を終了しており,順調に進行している.また研究テーマに関連した研究として,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)とpatterned electrical stimulation(PES)の組み合わせによる脊髄介在ニューロンの可塑性に及ぼす効果について,不全脊髄損傷患者を対象に検討した.この研究では,皮質運動野の興奮性を高めるanodal tDCSと末梢神経からの歩行周期に類似した高周波感覚刺激であるPESの組み合わせが,PES単独の介入と比較して,障害された脊髄相反性抑制を改善し,その効果が持続することを示した.年齢を合わせた健常対照群においても,anodal tDCSとPESを組み合わせることで,PESによる脊髄相反性抑制への修飾効果を認めた.一方,不全脊髄損傷患者においては,足関節の運動機能が改善し,この運動機能の改善は脊髄相反性抑制の改善と相関を認めた.相反性抑制の修飾効果は,健常対照群と比較し,不全脊髄損傷患者で高く,運動皮質からの入力が低下している不全脊髄損傷患者において,周期的な感覚入力と同時に,皮質興奮性を高めることが重要であることが示唆された.以上は,脊髄レベルでの可塑性誘導を実証し,下肢運動機能障害に対する新たな治療としての有効性を示した重要な知見である.これらの内容を,国内学会2件,国際学会2件で発表した.さらに,第47回日本理学療法学術大会および第42回臨床神経生理学会において,シンポジストとして研究課題についての発表を行った.これまでに行った研究の成果として,国際雑誌に7本(筆頭4本,共著3本),国内雑誌5本(共著5本)の論文が採択および掲載された.
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