神経筋系からみた生活習慣病に対する運動およびその対象者に関する運動生理学的研究
Project/Area Number |
10J01944
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied health science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 航平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 運動処方 / 高齢者 / 生活習慣病 / 2型糖尿病 / 神経筋活動 / 多チャンネル表面筋電図法 |
Research Abstract |
高齢者や生活習慣病患者における運動の実施が広く推奨されている.これらの人々における運動時の生理応答や運動機能を十分に理解し,運動生理学的なエビデンスに基づいた運動処方を提案することは,我々の研究領域における重要な課題の1つであると考えられる.本研究は,高齢者および生活習慣病の代表格である2型糖尿病の患者において,運動時の骨格筋の収縮を制御するシステム,すなわち神経筋系の機能特性を明らかにすることを目的とした.この研究では,従来は侵襲的な手法(針筋電図など)によってのみ得られてきた詳細な神経筋活動に関する情報を非侵襲的に得ることができる「多チャンネル表面筋電図法」という新たな手法を用いて実験を行った.本年度の研究成果として,高齢者では若齢者とは異なる方略によって骨格筋の活動を制御していること(Watanabe et al.J Electromyogr Kinesiol,2012a),2型糖尿病患者では持続的な運動を行っている際に筋内の限られた同じ部分が活動し続けること(Watanabe et al.Diabetes Res Clin Pract,in press)を査読付き国際誌に原著論文(筆頭著者)として報告した.これらの研究成果は,高齢者の神経筋機能を評価する新たな手法の開発や2型糖尿病患者で見られる運動耐容能の低下の原因の解明につながると考えられる.また,骨格筋の制御システムを理解するための基礎的な研究として,大腿四頭筋を構成する4つの筋は関節角度によってそれぞれ異なる筋活動レベルとなること(Watanabe et al.Scand J Med Sci Sports,2012),1つの筋であっても部位によって異なる役割を担っていること(Watanabe et al.J Electromyogr Kinesiol, 2012b)を査読付き国際誌に原著論文(筆頭著者)として発表した.これらの研究成果の発表に加えて,海外渡航制度を利用してイタリア・トリノ工科大学にて共同研究のため約3ヶ月間滞在し,世界でもこの研究機関でしか扱っていない特殊な解析プログラムを用いて,昨年度日本国内で取得したデータの詳細な解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した複数の研究課題に対する成果が,査読付き国際誌の原著論文という形で公表できていることから,おおむね順調に進展していると考えた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では加齢や疾患にともなった神経筋活動の変化を定量的に評価することができた.今後は,これらの対象者において,運動療法が神経筋活動に及ぼす影響を調べていきたいと考えている.前年度までの研究活動から,高齢者や疾患者(2型糖尿病患者)を対象とする研究では,得られる結果の個人差が非常に大きいことがわかった.本研究で焦点を当てている神経筋活動に影響を及ぼすと考えられる要因(年齢,日常生活活動度,神経疾患など)を統制することが1つの課題であると考えている.
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)