Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
出芽酵母において液胞酵素であるAms1はオートファジーを介して選択的に液胞へ輸送されることが知られており,Ams1の選択的な液胞への輸送にはレセプタータンパク質であるAtg19,Atg34が重要な役割を担っている.本研究では積荷であるAms1と,Atg19,Atg34との複合体の立体構造を明らかにし,選択的オートファジーにおける積荷認識機構を解明することを目的としている.選択的オートファジーは神経変性疾患等の原因となるタンパク質凝集体の分解に関わっており,本研究は将来的に行われる応用研究に対して,重要な基礎研究になるであろう.今年度(H24年度)は昨年度に引き続きAms1の遊離型およびAtg19のAms1結合ドメイン(ABD)との結合型の結晶構造解析を行った.Ams1遊離型の位相は昨年度までに多波長異常分散法により決定しており,構造決定には最終的に2.3A分解能の回折データを用いた.Ams1は対称的な四量体構造を形成しており,その四量体形成には主にN末端ドメインが寄与していた,また,Ams1のAtg19ABD結合型の良質な結晶を得ることに成功し,最終的に3.3A分解能の回折データを用いて,遊離型Ams1の立体構造をモデル分子として分子置換法により構造を決定した.さらにAtg34ABD結合型の結晶化にも成功し,こちらは3.0A分解能で構造決定した.Atg19,Atg34どちらの場合でもABDはAms1四量体に対し四分子結合していた.また,ABDは自身のフォールドの側面を介したユニークな結合様式でAms1と結合していたin vivo,in vitroの変異実験により,オートファジーによるAmslの選択的な液胞への輸送にはこのようなユニークな結合様式が重要であることを明らかにした.
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