Project/Area Number |
10J02178
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
大塩 裕哉 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 磁気プラズマセイル / MPDアークジェット / 磁気圏 / 推力 / 推力計測 |
Research Abstract |
昨年度までに、磁気プラズマセイルの非定常特性として、模擬太陽風プラズマ流の変動特性と磁気圏の変動特性の関係を明らかにし、その結果から予想される宇宙空間における磁気プラズマセイルの推力変動特性を明らかにした。また、磁気プラズマセイルの推力特性に関しては、磁気圏拡大の改善についての研究を進めてきたが、未だ磁気圏拡大した磁気プラズマセイルの推力計測は実施されていない。今年度は、磁気プラズマセイルの推力計測を実施し、磁気プラズマセイルの推力増加の原理検証を目的として研究を行った。 磁気プラズマセイルは、太陽風プラズマ流を磁気圏と呼ばれる磁場の帆で受け止めることにより推力を得る。磁気プラズマセイルの推力を正確に評価するためには磁気圏が太陽風内に収まっていることが要求されるが、これまでの実験により拡大後の磁気圏がプラズマ流より大きくなることが明らかになり、プラズマ流の大口径化が要求されている。本研究では新たに3台同時駆動のMPDアークジェソトを新型の太陽風シミュレータとして開発した。MPDアークジェットの3台同時駆動は初の試みであり、単体動作では、φ600mmほどであった模擬太陽風をφ1200mm以上への大口径化を達成した。 次に、大口径化太陽風シミュレータを用いた磁気プラズマセイルの推力計測試験を実施した。推力計測には振り子式のスラストスタンドを用いて、推力によるスタンドの変位を計測した。推力計測結果ではコイルの磁気モーメントM=2.2×10^<-5>Tm^3とM=4.5×10^<-5>Tm^3の2つの条件で推力の増加が計測された.特に、M=2.2×10^<-5>Tm^3の条件では、0.09Nから0.17Nへと最大1.9倍の推力増分が計測された。この結果より世界で初めて磁気プラズマセイルの推力の増加が計測され,プラズマ噴射を用いた磁気圏拡大による推力増加が実験的に示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気プラズマセイルの非定常特性に関しては、推力変動の直接計測には至らなかったものの、プラズマ流変動と磁気圏変動の関係や、磁気圏変動の支配的要因の解明に至り、推力変動の予測を行うことができ、概ね目的を達することができた。 磁気プラズマセイルの推力特性に関しては、磁気圏拡大の改善を進めることで、初めてプラズマ噴射による明確な磁気圏拡大を実験的に示すことができた。また、プラズマ噴射による磁気圏拡大の結果、推力増大を初めて計測し、推力増加の原理の実証ならびに推力特性を明らかにすることができ当初の目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究により、研究の目的の大部分は達成することができたが、いくつか問題点も残っており、今後はその解決が要求される。 磁気プラズマセイルの非定常特性に関しては、推力変動を直接計測することができなかった。推力の高速計測手法について再検討する必要がある。また、プラズマ噴射を行った条件における非定常特性は非常に複雑であり、これまでよりも高精度かつ高分解能な計測が要求されるため、その改善を進めていく必要がある。 磁気プラズマセイルの推力特性に関しては、本研究でのデータはパラメータ範囲・データ点数ともに十分とはいえない。今後は、推力計測データの拡充を進めていく必要がある。
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