高効率太陽光発電のための量子切断利用波長変換カバーガラスの創製
Project/Area Number |
10J02797
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 純平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 波長変換材料 / バンド間遷移 / Yb^<3+> / CeO_2 / 量子切断 / 太陽電池 / 皮長変換材料 / Ce / Yb |
Research Abstract |
今年度は、高効率太陽光発電のための量子切断利用波長変換カバーガラスの創製に向けて、主に発光中心をYb^<3+>に固定し、紫外・青色領域に吸収をもつ半導体ホスト材料の探索を行った。太陽光吸収を不純物イオンの光学遷移を利用せずに、ホスト材料のバンド間遷移を用いることで、吸収係数の向上、近赤外への波長変換に不必要な発光遷移の抑制、Yb^<3+>から他イオンへのバックエネルギー移動の低減が期待できる。本研究において、太陽光吸収中心としてCeO_2のバンド間遷移を利用するCeO_2:Yb^<3+>の作製し、紫外・青色光励起における発光特性から、CeO_2ホストからYb^<3+>へのエネルギー移動効率、エネルギー移動機構を調査することで、エネルギー移動効率を向上させる解決策を模索し、太陽電池の高効率化を目指した。発光スペクトルYb^<3+>添加試料では、紫外レーザ励起により、Yb^<3+>の強い近赤外発光を観測した。また、このYb^<3+>の近赤外発光をモニターした励起スペクトルにおいて、紫外から青色光領域に広がるブロードな励起バンドを観測した。この励起バンドの帰属として、O^<2->からYb^<3+>への電荷移動(Charge transfer, CT)吸収やCe^<3+>不純物イオンの4f-5d遷移等の可能性も考えられたが、焼成雰囲気依存性とCeO_2:Eu^<3+>との比較実験により、O^<2->からCe^<4+>へのCT遷移(バンド間遷移)であることを明らかにした。Yb^<3+>近赤外発光強度は、Yb_2O_3が0.5~1mol%の時最も強くなることが分かり、1mol%以上では濃度消光すると考えられる。エネルギー移動機構に関しては、ホスト吸収(ドナー)とYb^<3+>:4f-4f遷移(アクセプター)が、スペクトルの重なりを持たないため、電気双極子間相互作用や交換相互作用によるエネルギー移動が起こらないと考えられる。よって、中間準位を介さない共同ダウンコンバージョン(量子切断機構)や原子価間電荷移動(Intervalence charge transfer, IVCT)によるエネルギー移動の可能性が考えられる。以上より、我々は、本材料が効率よく紫外・青色光を吸収し、強く近赤外で発光する波長変換材料の創製に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)