Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度の目的は,プローブ型センサの開発であった.共振熱センサの一部を真空下に置き,周囲への熱損失と振動減衰を防止することで高感度化が可能であることをマイクロ流体チップ型の熱センサデバイスで既に実証した.マイクロ流体チップ型デバイスでは,マイクロ流路に細胞を流し,偶発的に捕捉された細胞の熱計測を行う.そのため,培養シャーレ上の特定の細胞の熱計測は非常に難しい.2次元空間上の特定の領域の熱計測に適した例として,走査型熱顕微鏡等に用いられるプローブ型熱センサが挙げられる従来のプローブ型センサで高感度計測を行うには,周囲への熱損失を避けるため真空環境が求められるしかし,液体の試料や液体環境を求められる試料の熱計測は,真空中では行うことはできない.上記原理をプローブ型センサに適応することで,従来とは異なり,真空下でなくとも高感度で液体環境を要する試料の熱を高感度で計測できるようになり,かつ,2次元空間上の特定の領域にアクセスできるようになる.本プローブ型センサは,ガラスで形成されたプローブ本体にSiが挟まれた構造(ガラス-Si-ガラス)を有している.プローブ本体の先端にSiの熱検知部が,本体内部のキャピラリー内にはSiの共振熱センサが設けられた.熱検知部-共振熱センサ間はSiを介して物理的熱的に接続されており,プローブ先端で検知された熱は熱センサに伝導され,そこで計測される.本年度は,基本的な微細加工技術を用いたプローブ型センサの作製,特性評価(共振熱センサの隔離性,共振周波数温度係数,周波数ゆらぎ)を行った.応用としての生体試料(グルコース)を含む液滴の熱計測により,本プローブセンサが原理的に大気環境下で高感度計測が可能であることを実験的に証明したと言える.単一のカーボンナノチューブ(CNT)をプローブ先端に接着できることも既に確認しており,CNTを用いた高感度プローブセンサの開発に大きく貢献した.
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