時分割XAFSと組み合わせた種々の分光学ツールによる錯体触媒の反応機構解析
Project/Area Number |
10J03327
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Catalyst/Resource chemical process
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
朝倉 博行 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | XAFS / 錯体触媒 / ナノ粒子 / 炭素-酸素結合生成反応 / in situ / 因子分析 |
Research Abstract |
本年度は,各種ニッケルナノ粒子を用いた鈴木-宮浦カップリング反応の触媒活性発現を目指して検討を行った. 鈴木-宮浦カップリング反応はパラジウムなどの貴金属により炭素-炭素結合生成反応が進行することが発見され,近年では元素戦略の観点あるいは新規な化学反応の開拓として鉄やニッケルについても検討が進められ,本反応に活性を示すことがわかってきている.本研究では,ニッケルナノ粒子の触媒活性について種々の検討を行ったところ,当初の目的とは異なる炭素-酸素結合生成反応が進行することを見いだした.例えば,様々な機能性高分子あるいは生理活性物質などに炭素-酸素結合あるいは炭素-窒素結合が含まれており,炭素-酸素あるいは炭素-窒素結合生成反応は炭素-炭素結合生成反応と同様に化学合成上きわめて有用な反応である.また,これまでにニッケルナノ粒子を触媒として利用した炭素-酸素結合生成反応の報告はなく,非常に興味深い例であったため,検討を進めた.その結果,ニッケルナノ粒子を用いたアリールハライドとアルコール間の炭素-酸素結合生成反応において,最大70%の収率で目的生成物が得られることがわかった. また,当初の研究課題である時分割X線吸収分光を用いた錯体触媒の反応機構解析についても,これまで行ってきたニッケル錯体によるアリールハライドのホモカップリング反応についても,更なる検討を加えることで,実験室スケールでの実反応環境下における錯体構造の時間変化を直接追跡することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の「研究の目的」は「1.XAFSを用いた反応機構解析,2.1.で得た知見に基づく触媒の改良,3.XAFSを用いた金属ナノ粒子の生成過程及び触媒反応の解析」である. 1.および3.のナノ粒子生成過程に関しては順調に検討が進み,いずれも査読有の国際学術雑誌での掲載が決定している.一方,2.および3.のナノ粒子による触媒反応については検討中であるものの具体的な成果は挙がっていない.ただし,これらの検討中に,これまでに報告のないニッケルナノ粒子による炭素-酸素結合生成反応を見いだしており,全体としておおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の検討中に見いだしたニッケルナノ粒子による炭素-酸素結合生成反応はこれまでに報告がなく,非常に興味深い触媒反応系であるため,この触媒系に関する検討を進めていきたい.また,当研究室では,固体触媒に関する経験が豊富なため,固体触媒に展開することで,新たな反応性の発現(基質適用性の拡大等)やより実用的な反応系の構築(添加剤を減らすことによる触媒系の簡易化)を目指して検討を進めていきたい.
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 特許権2012
Inventor(s)
藤田誠, 佐藤宗太, 鈴木康介, 高尾清貴, 寺村謙太郎, 朝倉博行, 加藤和男
Industrial Property Rights Holder
国立大学法人東京大学財団法人高輝度光科学研究センター
Industrial Property Number
2012-051403
Filing Date
2012-03-08
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