フグ毒結合タンパク質における毒物の競合と分子基盤の確立によるフグ毒化機構の解明
Project/Area Number |
10J04227
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三木 志津帆 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | トリブチルスズ(TBT) / TBT結合タンパク質(TBT-bps) / テトロドトキシン(TTX) / フグ毒結合タンパク質(PSTBP) / フグ |
Research Abstract |
本研究の目的は、トリブチルスズ結合タンパク質(TBT-bps)およびフグ毒結合タンパク質(PSTBP)の分子進化上の関係を明らかにすることで、フグの毒化機構を解明することである。そこで、2011年度は以下の研究を行った。 (1)昨年度に引き続き、養殖トラフグTBT-bp1およびPSTBPにおけるTBTおよびテトロドトキシン(TTX)の蓄積・競合特性を解明するための実験を行った。トラフグTBT-bp1およびPSTBPを精製し、各タンパク質におけるTBTおよびTTXを測定した。2010年度の計画では、Native-Pageを経てTBTおよびTTXを測定する予定であったが、検出限界値以下になってしまったため、ゲルろ過クロマトグラフィー後にTBTおよびTTXの測定を行った。結果、トラフグTBT-bp1およびPSTBPにおいて、いずれもTBTは結合したが、TTXとの競合性は明らかにできなかった。 (2)TBT-bpsおよびPSTBPの分子基盤の確立のための実験を実施した。ゲノムデータベースが充実しているトラフグを含めた数種フグ目魚類におけるTBTbpsおよびPSTBPのcDNA配列を解読し、系統樹解析およびシンテニー解析を行った。結果、トラフグ、クサフグ、コモンフグ、ショウサイフグにおいてPSTBPが存在することが分かった。系統樹解析では、TBT-bpsは、TBT-bp1グループとTBT-bp2グループに分岐し、PSTBPはTBT-bp2グループに含まれる事が分かった。このことからも、PSTBPはTBT-bp2から分子進化したことが推測されたが、用いた魚種が少なく、どこからPSTBPが存在するようになったのかは明らかにできなかった。また、シンテニー解析により、魚類のTBTbps遺伝子は、免疫関係の遺伝子とセットとなり、シンテニーを保っている事が分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)