Project/Area Number |
10J04235
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 宣行 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 光熱変換 / 熱レンズ分光法 / 熱レンズ顕微鏡 / イメージング / 紫外光 / 反射対物レンズ / 生細胞 |
Research Abstract |
本研究では、無染色の生細胞の内部観察を可能とするような顕微装置の開発を目的としており、その有力候補として光熱変換現象の一つである熱レンズ分光法を利用した画像化装置の開発を行った。本年度は、開発した顕微鏡を用いての三次元イメージングについての研究と、応用検討としてのマルチカラー型熱レンズ顕微鏡の開発を行った。 三次元イメージングに関しては、試料として微粒子・酵母菌を利用した測定に成功し、さらに、通常の吸収を用いた顕微鏡が持たない三次元分解能を持つと結論付けた。また、三次元測定を詳細に行う際には、測定試料と周辺環境との屈折率差をなくす、インデックスマッチングが必要となることが判明した。今回の成果から、測定試料を励起する際にも三次元分解能を持つ手法と組み合わせることで、さらに深さ分解能の向上した熱レンズ顕微鏡開発の可能性が示唆された。 応用検討のためのマルチカラー型熱レンズ顕微鏡として、励起光としてTi:sapphireレーザー光の第二高調波と、He-Neレーザー光を用いた装置系を構築した。測定試料としては、凝集した金ナノ粒子を用いた。金ナノ粒子を用いた理由としては、粒径や凝集状態により光の吸収スペクトルが変化することが良く知られているためである。測定を行った結果、照射する励起光により異なった画像が得られた。画像中の信号について、どちらの波長の励起光がより大きな影響を与えるかの指標となる値を定め、画像中の各点においてその値を計算する事で、熱レンズ信号画像における励起光の影響を可視化した。その結果、本手法により、マルチカラー型熱レンズ顕微鏡を用いる事で、散乱の影響を排除した上で、測定試料の、局所的な、特定波長における光吸収測定の可能性が示唆された。これは、開発した熱レンズ顕微鏡が、従来の光学顕微鏡にない利点を備えている事を示すものであると言える。
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