NSAID依存のアポトーシス誘導機構解明とアポトーシスを起さないNSAIDの発見
Project/Area Number |
10J04305
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Keio University (2011) Kumamoto University (2010) |
Principal Investigator |
浅野 帝太 慶應義塾大学, 薬学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | NSAIDs / 胃潰瘍誘発副作用 / 小腸潰瘍誘発副作用 / 膜傷害性 / 抗炎症作用 / カルパイン / ミトコンドリア / Bax / BAPTA-AM |
Research Abstract |
研究目的 我々はこれまで、NSAIDs起因性胃潰瘍(及び小腸潰瘍)の発症にNSAIDsによる胃粘膜細胞死(特にアポトーシス)が必須であること、及びこの胃粘膜細胞死誘導作用がNSAIDsの主作用である抗炎症作用(COX阻害作用)とは無関係であることを見出し報告している。従ってこのアポトーシス誘導の分子機構を解明し、アポトーシス誘導性の弱いNSAIDsを開発する方法を確立することは大変重要である。これまでの研究から、我々はNSAIDs起因性胃潰瘍の発症には、NSAIDsの膜傷害作用による胃粘膜アポトーシスが重要であることを発見した。このことから私は、膜傷害性の少ない薬剤が、副作用の少ない真に安全なNSAIDsであると考えている。そこで、膜傷害(アポトーシス誘導)性の少ないNSAIDs、即ち胃潰瘍(及び小腸潰瘍)副作用の少ないNSAIDsの開発を目指した研究を現在行っている。 研究成果(膜傷害性の少ないNSAIDsの発見) 我々は既存のNSAIDs(約100種)、自ら合成したNSAIDs(約200種)、製薬企業・他大学ら供与されたNSAIDs(700種)からなるNSAIDsライブラリー(合計1000種以上)を構築している。そこで今回、これらのNSAIDsの膜傷害性を調べ、傷害性の低いものをいくつか選択した。次に選択したNSAIDsの薬理作用を動物実験で確認した。具体的には、胃潰瘍誘発副作用、小腸潰瘍誘発副作用、抗炎症作用を検討した。選択した膜傷害性の少ないNSAIDsが、既存のNSAIDsと同等の抗炎症作用を示すにも関わらず、胃潰瘍誘発副作用、小腸潰瘍誘発副作用が少ないことを見出した。その結果、我々の仮説(膜傷害性を原因とするNSAIDsのアポトーシス誘導作用は、NSAIDsの抗炎症作用には関与しないが、胃潰瘍誘発副作用、小腸潰瘍誘発副作用には関与していること)を支持する結果が得られた。またこのようなNSAIDsは、医薬品として大変有用であると考えられるので、今後有用なNSAIDsに関しては、それをリード化合物としてその誘導体を多数合成し、より膜傷害性の少ないNSAIDsの発見を目指すことを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)