Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
ptr5-1変異株は核膜孔複合体を構成する因子Nup85pにアミノ酸置換型の変異を持ち、制限温度である35℃以上の温度条件で培養を行うと、迅速に核内にmRNAを蓄積させる。Nup85pのmRNA核外輸送における機能を明らかにするため、Nup85pと相互作用する因子の探索行った。二重変異株を作成しその表現型を解析する方法や、ptr5-1変異株のサプレッサー因子の単離を試みた結果、Ptr5p/Nup85pと機能的な相互作用を示す因子として、既知のmRNA核外輸送複合体の因子であるRaelp、Mlo3pや転写とmRNA核外輸送とを連結するTREX2複合体に含まれるSac3p、さらに、核膜孔複合体の構成因子Sehlpを同定した。以上の結果から、これらのタンパク質因子がNup85pを介したmRNA核外輸送に関与している可能性が示された。 また、mRNA核外輸送とスプライシング反応との関連を解析するために、ptr5-1変異株と分裂酵母スプライシング変異株であるprp変異株シリーズを用いた解析を行った。ptr5-1変異株と複数のprp変異株との二重変異株を作成しその表現型を調べたところ、いくつかの二重変異株は生育が増悪または回復し、核膜孔複合体因子Nup85pとスプライシング因子との間に遺伝学的な相互作用があることを示した。 本研究で行った解析により、核膜孔複合体を構成する因子Ptr5p/Nup85pがmRNA核外輸送に関与し、さらに遺伝子発現の諸過程(転写やpre-mRNAスプライシング)を連携させる場となっていることを示唆する、新しい知見を得た。研究成果の一部はN.Watanabe, T.Ikeda, EMizuki, T.Tani, Characterization of the ptr5^+ gene involved in nuclear mRNA export in fission yeast., Biochem. Biophys. Res. Commun. 418,62-66(2012)として発表した。
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