職場のいじめの規定要因および健康影響に関わるコホート研究
Project/Area Number |
10J04839
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Public health/Health science
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津野 香奈美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 産業保健 / 精神的健康 / 職場のいじめ / パワー・ハラスメント / ストレス / 人間関係 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
1.昨年度のベースライン調査(2つの市で5,300名対象、約3,600名から回答)に引き続き、本年度はフォローアップ調査を実施した(A市では半年後、B市では1年後に実施)。 2.A市のベースラインデータを用い、職場のいじめへの曝露と心理的ストレス反応との関連に対して、レジリエンス(回復力、抗病力)や職場の支援の緩衝効果があるかを検討した。その結果、レジリエンス、上司・同僚の支援が高いことと、心理的ストレス反応が低いこととは関連があったが、いじめへの曝露と心理的ストレス反応との関連に対する緩衝効果は認められなかった。また、いじめの曝露を受けていない状態においては、同僚の支援が高い方が心理的ストレス反応も低かったが、いじめの曝露があると、同僚の支援が高くても心理的ストレス反応も高く、職場に支援があったとしても、いじめの曝露そのものが心理的ストレス反応の強い予測因子である可能性が示唆された。 3.A市のベースライン及びフォローアップデータを用いて、上司のリーダーシップ形態と職場のいじめとの関連の検討を行った。ベースラインでいじめの曝露を受けていない回答者を対象にして分析した結果、個別的配慮が低いリーダーシップ形態の群は高い群と比べて3.4倍、消極/放任主義のリーダーシップ形態が高い群は低い群と比べて4.3倍、新規に職場のいじめに曝露していた(個人属性、職業特性調整後)。これらの結果から、上司による部下に対する無関心さが、直接的にあるいは間接的に職場のいじめ・ハラスメント引き起こす可能性が示唆された。 これらの結果より、職場のいじめへの曝露は心理的ストレス反応の強い予測因子であること、また上司のリーダーシップ形態がいじめ曝露や部下のストレス反応へ影響を及ぼすことが明らかになり、公衆衛生・産業保健分野、そして行政においてこの事象に目を向けることの重要性、予防対策の必要性を強く示すことができたと考える。
|
Report
(3 results)
Research Products
(18 results)