「遷移金属/有機分子」二成分触媒系の開発による高度分子変換
Project/Area Number |
10J05324
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 泰徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金属錯体 / ブレンステッド酸 / 有機触媒 / フェロセン / 置換反応 / 脱離反応 / 速度論的光学分割 / 面不斉 / 遷移金属錯体 / ロジウム / キラルリン酸 / ジアゾ化合物 / カルベン / イリド / 不斉還元 / キラルブレンステッド酸触媒 / 異性化 / 連続反応 / 不斉反応 / Pictet-Spengler反応 / テトラヒドロイソキノリン |
Research Abstract |
申請者は「遷移金属錯体/キラルブレンステッド酸触媒」二成分触媒系の構築を目的として、高効率的かつ高選択的、新規分子変換反応の開発を行っている。これまでに二成分触媒系の開発として、金属錯体とキラルブレンステッド酸触媒によるワンポット・リレー型触媒系を実現することに成功した。本年度はさらなる金属錯体とキラルラレンステッド酸触媒の融合を目指し、金属錯体の特徴を最大限に活用したブレンステッド酸触媒の反応系を探索した。 その中でフェロセニルカチオンに着目し、その平行速度論的光学分割を試みた。フェロセンのα位のカルボカチオンすなわちフェロセニルカチオンは、フェロセンの隣接基効果によって高度に安定化されることが知られている。このため原理的に、酸触媒を用いたフェロセニルアルコール誘導体のα位置換反応は、(1)C-0結合の開裂によるフェロセニルカチオンの形成、(2)求核剤の付加の2段階を経て進行する。置換反応は完全な立体保持で進行するが、これはカチオンの生成時、フェロセンの隣接基効果による安定化を受け、α位の中心不斉がカチオンの面性不斉へと完全に転写されるためである。 この特徴を利用し、フェロセニルアルコール誘導体と窒素求核剤との置換反応を検討したところ、興味深いことに平行速度論的光学分割が進行し、置換生成物と脱離生成物が得られた。検討の結果、高いエナンチオ選択性で置換生成物として有用なキラル配位子の前駆体であるフェロセニルエチルアミン誘導体を得ることに成功した。また、反応機構に関する知見を得るために種々の実験を行ったところ、フェロセニルカチオンの平行速度論的光学分割が進行していることが明らかとなり、カチオン種の速度論的光学分割という前例の無い反応系を実現した。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)