Project/Area Number |
10J05327
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
市山 健司 慶應義塾大学, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2013-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | サイトカイン / TGFβ / 組織障害 / マクロファージ / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / 一酸化窒素 / 腫瘍 / Smad / Th17 / IL-6 / JNK / T細胞 / プロモーター / RORγt |
Research Abstract |
本年度はNaiveT細胞からTh17への分化誘導におけるTGFβシグナルの解析を行った。TGFβはTh17のマスター遺伝子であるRORgtの発現を誘導する。TGFβの主要下流転写因子であるSmadを欠損したマウスの解析からTh17の分化誘導にはSmad非依存的な経路が重要な役割を担っていることを我々は報告した。しかしながら、その詳細なメカニズムは未だ明らかとなっておらず、Smad非依存的なTh17分化誘導機構の解明とその個体における意義の解明はこの分野における1つの焦点となっている。まず、Smad非依存的に制御される因子を同定するため、我々はT細胞特異的にSmad2およびSmad3を欠損したダブルノックアウトマウスの作製を行った。次に、網羅的に目的因子を探索するため、Smad2/3ダブルノックアウトマウス由来のT細胞を用いてマイクロアレイ解析を行い、転写因子に対象を絞って結果を分析したところ、Eomesodermin(Eomes)と呼ばれる転写因子がSmad非依存的にTGF-bによって負に制御される事を明らかにした。阻害剤の検索の結果JNK-cJun経路がEomesの発現抑制に必須であった。Eomesを発現するレトロウイルスベクターを構築し、primary T細胞への過剰発現の検討を行った結果、EomesはTh17分化(IL-17A、RORgammatの発現)を顕著に抑制することが明らかとなった。またJNKやc-Junの強制発現でもRORgammatの発現は抑制された。TGFβはJNK/c-Junを介した経路でEomesの発現を抑制することで間接的にTh17分化を正に制御していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TGFβの下流でSmad非依存的なRORgt発現制御のシグナル経路を明快に示したことが評価され、本研究はImmunity誌に論文掲載されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
TGFβがTh17細胞を誘導するメカニズムはまだ全容が解明されたわけではない。特にこれまで我々が同定したシグナルはすべて抑制系でありpositiveなシグナルは必ず存在すると思われる。今後も引き続きTh17細胞分化誘導機構の全容を明らかにするとともに、TGFβのシグナルを標的とした自己免疫疾患の治療法の開発を進める必要がある。
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