微生物群集における水素循環~微生物マットにおける水素発生と消費~
Project/Area Number |
10J05625
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大滝 宏代 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 微生物群集 / 物質循環 / エネルギーの流れ / 硫酸還元 / 硫黄還元 / 水素 / 光合成細菌 / 光独立栄養 / 微生物マット / 水素発生 / 水素消費 |
Research Abstract |
微生物群集中の物質循環に焦点を当てた研究例は数多くあるが、物質とエネルギーの流れを統一的に捉えた電子循環に注目した例は少ない。本研究では、微生物群集における水素と硫黄化合物、炭素化合物を介した電子循環を明らかにすることを目的とした。昨年度から引き続く研究で本年度は以下の成果を得た。(1)採取した群集塊を用いて硫黄と硫酸の還元活性を測定した。硫酸または硫黄のどちらも硫化水素まで還元されることが確認され、その活性は気相に水素を加えることで促進された。水素は群集内の発酵細菌から生産されていることが昨年度までにわかっている。(2)群集塊から異なる属に分類される硫酸還元菌を計2種分離した。至適温度を65℃に持つThermodesulfovibrio aggregans、70℃のThereodesulfobacterium commune。両種の細菌が、硫酸存在中で水素を電子源とした硫酸還元能有することを確認した。これらが、群衆内の硫酸還元を担っていると予想された。(3)採取した微生物群集塊を光独立栄養条件下で安定的に継代培養することができた。硫化水素を電子源とし、光照射、採取した環境と同じ65℃で培養した。その培養系の中には光合成細菌が優占化していた。硫化水素の消費に伴った硫黄顆粒の生産が観察された。硫黄の生産は、嫌気かつ光が当たる条件であれば、光合成細菌が担っていることが示唆された。生産された硫黄は、硫黄還元菌の電子受容体として消費されていると予想された。暗条件でも培養を行ったが、細胞の増殖は観察されなかった。昨年度の群集解析の結果から、嫌気かつ硫化水素が電子源の条件で、光合成細菌の他に炭酸固定を行える候補がいない。これらの、結果は微生物群集ないで優占する光合成細菌Chloroflexus aggregansの炭酸固定能を強く指示する結果である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)