Project/Area Number |
10J05991
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢追 健 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 自己認識 / 自己参照効果 / fMRI / 前頭前野内側部 / 脳イメージング |
Research Abstract |
自己に関わる情報をそれとして処理し、自己と他者とを区別するという我々の自己認識能力はどのようなプロセスを経て形成されているのだろうか。この自己認識を形成するひとつの要素であり、「自分が何者であるのか」に関する有形無形の知識の集合体である自己表象は我々の自我形成に大きな役割を果たしており、その認知的特性を明らかにすることは自己認識の成り立ちを理解する上で必要不可欠であると考えられる。本年度は記憶における自己参照効果と関わる脳内神経基盤について、自己および他者に対する参照プロセスのみならず、それぞれの表象と結び付けられた単語の検索・再認プロセスにも着目した検討を行った。まず自己表象および他者表象に対する参照プロセスが必要とされると考えられる評定課題においては、後の再認課題において単語を正しく再認できたかどうかに関わらず、自己参照条件では他者参照条件との比較によって前頭前野腹内側部(VMPFC)や島皮質をはじめとする複数の領域の活動が示唆された。続いて再認課題においては、評定課題によって自己および他者表象と結び付けられた単語を正しく再認できた場合においてのみ、自己参照条件では他者参照条件との比較によってVMPFC・中帯状回・角回・海馬傍回といった複数の領域の活動が示唆された。このことから、自己表象への参照プロセスにおいて特にVMPFCが重要な役割を果たしているとする先行研究の結果が裏付けられたと共に、自己表象と結び付けられたアイテムの検索および再認プロセスにおいて自己に関わる内的表象が再活性化しており、かつその単語が記憶痕跡としてより強く残っていた可能性が初めて示唆された。本研究は我々の自己表象を支える脳内神経基盤を検討した諸研究の中でも、その検索および再認プロセスにおける再活性化に着目したという点において独自なものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)