Project/Area Number |
10J06329
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 淳 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | Phosphatidylserine / Scramblase / TMEM16F / Scott症候群 |
Research Abstract |
アポトーシス細胞のホスファチジルセリン(PS)露呈機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。アポトーシス時のPS露出にはカルシウムの上昇が必要なことから、カルシウムイオノフォアA23187を用いた実験系を構築し、その系において「細胞が生きたままPSを露出する」条件を見つけた。この特徴をいかして、A23187処理によりPSを強く露出した細胞をフローサイトメーターを用いてソーティングし、このA23187処理とソーティングの操作を19回繰り返すことで、PS露出に感受性のある細胞を樹立した。その細胞からcDNAライブラリーを作成し、親細胞に発現させPS露出に感受性を獲得させる遺伝子を探索したところ、8回膜貫通タンパク質のTMEM16Fを同定することができた。同定されたTMEM16Fは細胞内領域に変異が導入されており、その変異体を発現させると細胞が生きたままPSを露出した。野生型のTMEM16Fの発現はカルシウム刺激により対照よりも速やかにPSを露出した。PSを外側に露出する分子として、リン脂質を双方向に区別なく輸送するスクランブラーゼというタンパク質の存在が古くから仮定されていたが、TMEM16FはPSの露出だけでなく、通常は外側に存在するホスファチジルコリンの取り込みも促進することが分かった。以上より、TMEM16Fがスクランブラーゼそのもの、もしくはそのコンポーネントの一つであると結論した。また、血小板がPSを露出できないために血液凝固に異常をきたすスコット症候群の患者において、TMEM16Fを機能不全にさせる点変異があることを見つけた。
|