糖鎖および糖修飾生体分子・細胞の化学ラベリング法の開発
Project/Area Number |
10J06552
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SUN Yedi 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | タンパク質 / 生物有機化学 / タンパク質間相互作用 / 翻訳後修飾 / バイオセンサー / 分子プローブ / タンパク質化学修飾 / イメージング |
Research Abstract |
糖鎖は生体内において、細胞やウイルスなどの表面で目印として働く重要な物質であり、その機能は細胞間シグナル伝達や免疫応答など、多岐に渡ることが知られている。しかし、糖鎖の構造は直鎖型、分岐型など非常に複雑であり、糖鎖の詳細な機能については明らかとなっていない点が数多く残されている。本研究では、このような糖鎖や、糖鎖修飾タンパク質を選択的に検出/同定することを目的として、糖鎖を認識するタンパク質であるレクチンを化学修飾し、人工機能化レクチンとして利用する方法論の開発をおこなう。具体的には、アシル転移反応触媒であるDMAPを、当研究室で開発された蛋白質化学修飾法を用いてレクチンに部位特異的に導入した、DMAP触媒連結レクチンを作製する。 これまでに申請者は、効率的にこの機能化レクチンの作製に成功しており、いくつかのDMAP連結レクチンを獲得してきた(シアル酸結合レクチン:WGA、ガラクトース結合レクチン:CongII、マンノース結合レクチン:ConAなど)。実際にこれらレクチンを用いて、様々な種類の糖タンパク質を、試験管レベルで選択的に蛍光標識することに成功してきた。さらに現在、小麦胚芽由来レクチンであるWGAをDMAP修飾し、細胞表層のシアル酸が翻訳後修飾されている糖タンパク質を、細胞表層で特異的に蛍光修飾およびビオチン修飾する事に成功した。今後は様々な細胞種へ本系を適用するとともに、細胞表層で特異的に化学修飾された糖タンパク質の同定をおこなっていく。これらの成果については論文執筆中であり、近日中に公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的として挙げた細胞表層での糖タンパク質の選択的な化学修飾について成果が出ており、おおむね順調に進展している。今後様々な細胞種での検討や、糖タンパク質の同定等をおこなう必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの成果をもとに、今後は様々な細胞種での糖タンパク質の網羅的な化学修飾を達成する。また、得られた化学修飾糖タンパク質がどのようなものであるか、2次元電気泳動法や質量分析法などを駆使して、同定することが出来れば、細胞表層糖鎖の役割の解明に繋がるのではないかと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)