コケ植物におけるオルガネラ機能と小胞輸送機構の解析
Project/Area Number |
10J06783
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恵良 厚子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | RAB5 / ARA6 / バイオイメージング / 膜交通 / オルガネラ / ゼニゴケ / エンドソーム / 葉緑体 / 間接蛍光抗体法 |
Research Abstract |
ARA6は,ユニークな構造的特徴を持った植物特異的なRAB5メンバーであり,陸上植物に広く保存されている.このことから,ARA6は植物特異的な膜交通経路において機能していると思われ,シロイヌナズナを用いた先行研究では,ARA6はエンドソームから細胞膜への輸送を制御し,環境ストレス耐性に重要な役割を有していることが明らかとなっている.本研究では,ARA6機能の陸上植物における多様性についての知見を得るため,陸上植物の基部に位置するコケ植物におけるRAB5グループの機能解析を進めている. 1.ゼニゴケARA6(MpARA6)ノックアウト株の表現型解析 MpARA6の関与する膜交通経路の生理的機能を明らかにするため,相同組換えによるMpARA6破壊株を作製し,その表現型を解析した.その結果,浸透圧ストレスや塩ストレス条件下で植物体の形態異常や葉緑体の発達異常が見られた.このことから,MpARA6はシロイヌナズナのARA6同様,非生物ストレス耐性に関わっていることが示唆された. 2.MpARA6の関与する膜交通経路の探索 GTP固定型MpARA6のXFP融合体を過剰発現し,MpARA6の関与する膜交通経路の最終到達点を歌詞化したところ,葉緑体外胞膜と連続した膜構造に局在した.電子顕微鏡による解析により,この膜構造は外胞膜のみで構成されており,ストロにミュールとは異なる構造体であることが明らかとなった.異常のことより,MpARA6は葉緑体外包膜への輸送経路ではたらいていることが示唆された. これらのことより,シロイヌナズナとゼニゴケにおいてARA6は類似の生理的機能を持ちながら,膜交通レベルでは異なる経路で機能していることが示唆された.また,これまで膜交通システムとは独立のものと考えられていた葉緑体への物質輸送に膜交通システムが関与していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼニゴケ研究における技術発達により,MpARA6ノックアウト株が作製され,MpARA6の生理的機能を知ることができた.これまでの細胞内における知見と合わせることにより,MpARA6の機能についてより深い考察を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
MpARA6の関与する葉緑体外包膜への輸送経路で運ばれている物質が何であるか知る必要がある.先行研究を参考に積み荷候補を選び,バイオイメージングや生化学的手法を用いて解析する.また,葉緑体メタボローム等網羅的な解析にも期待する.
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)