熱帯樹木を対象とした遺伝解析による群集構造の歴史性の解析
Project/Area Number |
10J07035
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片渕 正紀 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 群集構造 / 機能形質 / 熱帯雨林 / ヌルモデル |
Research Abstract |
熱帯樹木群集の土壌養分環境に着目し、環境フィルタリング(環境要因が群集構造を決定するという考え)に土壌養分環境がどの程度貢献しているのかを明らかにすることを目的とした。マレーシア・サラワク州のランビル・ヒルズ国立公園内に設置された52haの森林動態プロットで得られた植物の機能形質の空間分布パターンを解析した。それにより、資源獲得戦略と関係のある形質において環境フィルタリングの強度の60%以上を土壌が担っていることが示された。本研究により、この森林動態プロットの群集形成に環境フィルタリングが働いていることが明らかになり、さらに今回解析した空間スケールでは、土壌養分環境が環境フィルタリングの最も重要な駆動力となっていることが初めて明らかになった。この成果はJoumal of Ecologyに掲載された。また個体数に関する帰無モデルを作成し、同様の手法を適用することで、このような環境フィルタリングは種組成だけなく、個体数を決定する要因として働いていることを示した。 次に環境フィルタリングとその反対の性質をもつ負の密度依存効果のバランスを定量化した。プロット内の87%の個体は環境フィルタリングを受ける個体数で生育していた。また半数以上の個体が負の密度依存効果を受けている種は、プロット内での個体数が多い種だった。以上の結果から、プロット内には環境フィルタリングを強く受けている個体が多いものの、同種の個体数密度の高い個体やプロット内での個体数が多い種に負の密度依存効果が強く働いているため、この熱帯雨林では単一の樹種が優占することが起きないと結論し、学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、群集形成に環境フィルタリングが重要なのかどうかを明らかにすることを目的としていた。しかし、環境フィルタリングと環境要因の関係を定量化するところまで達成できため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実生・稚樹・成木という複数の生活史段階に働く環境フィルタリングを定量化することを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)