プロトン移動による直接的触媒的不斉炭素―炭素結合形成反応の開発
Project/Area Number |
10J07527
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 優太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 銅(I) / チオアミド / 炭素-炭素結合形成反応 / 触媒的不斉反応 / 共役付加反応 / 分子内反応 |
Research Abstract |
我々の研究の目的は、過剰量の活性化剤を要するため多量の廃棄物を伴う従来の化学反応を、独自設計した金属不斉触媒により完全触媒化、不斉化させることである。我々はこれまでに銅(I)錯体、不斉二座リン配位子、及びBronsted塩基からなる触媒系を用いた直接的触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応を数例報告している。本触媒はソフトLewis塩基性を持つ基質と銅(I)の間に生ずるソフト相互作用が反応性の鍵と考えられ、これまでにニトリルを求核剤として用いた種々の触媒反応が開発されてきた。ここで我々は次なる基質としてチオアミドに着目した。チオアミドはその硫黄部位にソフトLewis塩基性を持つため、これを考慮すれば同様の触媒系でチオアミドを求核剤とした直接的触媒的不斉反応が開発可能と考えられる。当該基質を用いたMannich型反応及びアルドール反応については昨年度以前に達成済みであり、本年度はさらなる一般性拡張のため共役付加反応への展開を試みた。反応条件検討の結果、Cu(I)と二座配位子Xyl-P-Phos及びLiO(C6H4-p-OMe)からなる触媒系を用いた際に、分子内にチオアミド部位とα,β-不飽和エステル部位を持つ基質に対して高い立体選択性にて共役付加体を与えた。続いて共役付加体の官能基変換を検討したところ、アミド、チオエステル、アミノアルコールへの変換がそれぞれ良好な収率で進行したため、本反応生成物が種々の有用なキラルビルディングブロックとなりうることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対応する新規反応を新たに一種類開発することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において、共役付加反応は分子内反応に留まっている。これを分子間反応に展開することがまず第一に検討すべきである。また、チオアミドはその合成にやや煩雑な手順を要し、さらに官能基変換の観点においても従来予想したほど円滑に行えないことが分かったため、より有用な求核種前駆体を用いた反応を行うことが重要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)