神経興奮性アミノ酸一斉光学分割法の開発と神経変性疾患の診断マーカー・治療標的探索
Project/Area Number |
10J07562
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三次 百合香 九州大学, 大学院・薬学府生体分析化学, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 神経興奮性アミノ酸 / 二次元HPLC / 光学分割 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
本研究で開発した「光学異性体を区別する神経興奮性アミノ酸一斉分析システム」のバリデーションを行った。標品を用いて検量線を作成した結果、D-セリン、D-グルタミン酸およびD-アラニンはインジェクト量あたり1 fmol-5 pmol、L-セリン、L-グルタミン酸、L-アラニンおよびグリシンは、10 fmol-200 pmolの範囲において良好な直線性が得られた。日内・日間再現性および血清試料分析における真度についても良好な結果が得られ、神経興奮性アミノ酸光学異性体が正確に一斉分析可能であることを示した。 セリン合成不全症モデルマウスにおける神経興奮性アミノ酸含量解析を行った。その結果、大脳皮質および海馬ではコントロールマウスと比較して欠損マウスにおいて、レセリンやグリシンだけでなくD-セリン含量の激減が認められた。また、血清においても欠損マウスにおいてD-リン含量が有意に低下した。一方D-アラニンおよびレグルタミン酸については、いずれの試料においても有意な含量変化は認められなかった。以上の結果は、D-セリンがセリン合成不全症の病態に関与していることを示している。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスの大脳皮質、小脳、脳幹および脊髄中の神経興奮性アミノ酸含量を解析した。その結果、発症初期、末期いずれにおいてもコントロールマウスと比較してALSモデルマウスにおいて脊髄中D-セリン含量の増加が認められた。また、発症初期と比較して末期において脊髄中D-セリン含量が有意に増加した。一方、大脳、小脳、脳幹においては、D-セリン含量に有意な差は認められなかった。以上の結果は、D-セリンがALSの発症や病態に関与していることを示唆していると共に、本研究で開発した分析システムが神経変性疾患の診断マーカーや病態関連因子探索に有用であることを示している。
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Report
(3 results)
Research Products
(23 results)