Project/Area Number |
10J07643
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 俊一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 惑星 / 月 / 衝突盆地 / 熱進化 / 粘弾性 / 放射性元素濃度 |
Research Abstract |
惑星進化の最も基本的プロセスである熱進化に関する、観測データを基にした実証的研究は、惑星科学上最も重要な研究課題の一つである。本研究の目的は、日本の月周回衛星「かぐや」による測地観測データと理論計算を比較することによって、月の初期進化を制約することである。表面地形や重力異常が明確な、比較的最近に形成したと考えられる衝突盆地(巨大なクレーター)周辺の地殻・マントル構造からは、その衝突盆地形成期の地温勾配上限値や地下の熱源元素量の上限などが求められた。また、表面地形や重力異常に明確な同心円構造の見られない、比較的古い時代に形成したと考えられる衝突盆地周囲の地殻・マントル構造からは、相対地質年代と月全球マグマオーシャン固化年代の対応を明らかにした。また、後期隕石重爆撃期における衝突フラックスの上限を得た。さらに、「海」と呼ばれる玄武岩で覆われた領域の表面地形・セレノイドからは、低次の内部荷重による長期変形が示唆された。そして、海の変形を引き起こすのに必要な、地殻・マントル境界面における温度の下限値も得た。これらの過去の地殻温度の変遷から、月の初期熱進化が非常に水平不均質であることが示唆された。また、初期熱進化の地域依存性は、マグマオーシャンが完全に固化する前の巨大衝突に関連している可能性も示唆された。これらの結果は、複数の学会等で報告された。また、地球物理学系国際学術誌「Journal of Geophysical Research-Planets」に投稿し、受理された。
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