Project/Area Number |
10J07689
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 勇一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 2012: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 左右性 / 利き / 捕食行動 / 学習 / シクリッド / 初期応答遺伝子 / 右利き・左利き / 種内二型 / 神経基盤 / マウスナー細胞 / タンガニイカ湖 |
Research Abstract |
鱗食魚Perissodus microlepisの捕食行動の左右性の獲得過程を明らかにするために、野外採集された様々な発達段階の鱗食魚(稚魚期~若魚期~成魚)の胃内容分析を行い、摂食していた鱗の形状を精査して捕食行動の左右性を推定した。分析の結果、鱗を食べ始めてすぐから口部形態に合った体側由来の鱗を主に摂食していたので、捕食行動の左右性は遺伝的な影響を受けていると示唆された。また、稚魚期から若魚期の移行期では、口部形態と合わない鱗を摂食していた個体も見られたが、体長の増加とともに口部形態と合う体側の鱗を摂食していた比率が高まり、成魚ではほぼ一方向に偏ることを見出した。これは、成長過程における捕食行動の学習によって利きが発達する可能性を示す重要な結果であろう。 また、捕食時にM細胞が活動しているかどうかを検証するために、神経活動に付随して発現する初期応答遺伝子の発現を検出する方法を確立した。これまでに、同じシクリッド科であるティラピアOreochromis niloticusのゲノムデータベースを用いて、M細胞を同定するためのChAT(コリン作動性ニューロンのマーカー)と、活動計測のための2種類の初期応答遺伝子c-fos,egr1のプローブを作成し、in situ hybridizationを行うに至った。現在、捕食させた個体とコントロール個体、右利き個体と左利き個体の間で、網羅的かつ詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は1頂調に実行されている。鱗食シクリッドの捕食行動の左右性が学習によって強化される可能性を示して、学会等で発表を行った。論文をまとめる段階に至っている。十分な成果が得られたと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
捕食行動の左右性とマウスナー細胞の関係を明らかにするため、初期応答遺伝子の発現を解析する実験を重点的に行う予定である。これにより、マウスナー細胞だけでなく周辺の脳領域も含めて検討できる。また、マウスナー細胞の細胞形態と構造様式について、細胞を染色して詳細に観察するとともに、近縁なシクリッドと種間比較を行って、神経細胞の機能と進化について解析する。
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