Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
有機電解合成法では反応は電子そのものを試薬とするため,酸化剤や還元剤の添加を必要とせず,反応は非常に穏やかな条件で進行する.本反応系は効率的に炭素-炭素結合を形成する手法として注目を集めており,特にオレフィンカップリングは多様な環化反応を達成するための強力な手法となる.これらの観点から,有機電解合成法はpHや温度に感受性な生体物質への応用が期待される手法となる.本研究では有機電解合成法を用いて穏やかな条件下でペプチド関連物質に架橋構造を導入し,その立体構造を制御することを目的とする.特に[2+2]付加環化反応系をこの目的における研究対象とし,当該年度の研究においては,本反応を反応機構に基づいてその適用範囲の限界を知り,これを踏まえて新たな分子間反応を見出すことに成功した.ペプチド関連物質への応用を視野に入れた新たな反応システムも考案し,分子間反応を効率的に進行させることができた.同時に,ペプチド関連物質への応用を目指した研究にも着手することができ,実際に立体を制約したペプチドの効率的な合成法を確立するに至った.これらの知見は下記に示すように計9件のオリジナル論文ならびに著書として出版され,また国内外の学会で計18件の発表として発信することができた.以上,当該研究で得られた知見ならびに成果は極めて有用であり,今後も発展的に継続していくものであると期待できる.
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