匂い・気流・温熱感をVR上で再現するマルチモーダル感覚情報の記録再生システム
Project/Area Number |
10J08255
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Media informatics/Database
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松倉 悠 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学府, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | バーチャルリアリティ / 五感情報通信 / 数値流体シミュレーション / 嗅覚ディスプレイ / 風覚ディスプレイ |
Research Abstract |
感覚情報の記録システムと再生システムのそれぞれについて並行して研究開発を行った。記録システムに関して本年度は、昨年度までに取得した実験室の幾何学的形状データと壁面温度分布を基に、数値流体シミュレーションを行った。この結果得られた気流場と実測した気流場を比較したところ、二つはほぼ一致していた。このシミュレーションでは、対流によって形成された室内の温度分布も求めている。匂いの発生箇所や濃度などを設定すれば、匂い分布も推定可能である。以上のように、現実環境の幾何学的形状や壁面温度を基に数値流体シミュレーションを行い、匂い、気流と温熱感を記録できることを示した。 再生システムに関しては、昨年度までに開発した装置にヒータを追加して温熱感も提示可能とした。モニタに映し出した映像から風や匂い、熱が実際に出ているようにユーザに感じさせることができる。本装置を用いて複数の感覚情報を統合的に提示すれば、高いリアリティを実現できると期待される。十分な冷却性能を有する冷却装置を本装置に組み込めば、涼風の再現も可能である。以上のように、本年度までの成果により、匂い、気流と温熱感の再生システムを実現した。国内外の学会にて本システムのデモンストレーションを行ったところ、「画面に映し出された映像から実際に匂いや熱が出ているかのように感じる」といった意見が多く、大変好評であった。 また、記録システムと再生システムを統合し、バーチャル訓練など実用的なコンテンツを作成することを予定していたが、本研究を通して嗅覚アシストマスクの着想に至り、試作機を作製した。この装置は、人が感知できない微弱な匂いや匂いを持たないガス成分を検出し、その濃度変化を人が感じられる別の匂いの濃度変化に置き換えて提示する。この装置を用いた官能検査により、他の感覚に比べて劣っているとされる嗅覚でも避難行動や危機回避に十分に役立つことが見出された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(21 results)