Project/Area Number |
10J08411
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片瀬 貴義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 鉄系超伝導体 / エピタキシャル薄膜 / バイクリスタル粒界 / 超伝導線材 / 臨界電流密度 / ジョセフソン接合 / 超伝導量子干渉素子 |
Research Abstract |
高温超伝導体は、高い温度までゼロ抵抗で電流を流すことができるため、理想的な電力輸送素子として期待されている。しかし、銅酸化物系超伝導体を用いた超伝導線材では、傾角粒界において臨界電流密度(J_c)が急激に劣化するので、1MA/cm^2以上の高いJ_cを示す線材を実現するためには、結晶粒を強く面内配向させる必要があった。 近年発見された鉄系超伝導体は、超伝導転移温度が50Kを超える新しい高温超伝導体で、100T級の高い上部臨界磁場を示すため、超伝導線材としての応用が期待されている。特に、鉄系超伝導体は、銅酸化物系に比べて、超伝導特性の異方性が極端に小さい特徴を持っているため、銅酸化物系とは異なった、結晶粒界での伝導特性を示すと期待される。 本研究では、バイクリスタル基板を用いて、Co添加BaFe_2As_2エピタキシャル薄膜に傾角3~45度まで幅広い範囲の傾角粒界接合を形成し、傾角粒界がJ_cに与える影響を調べた。傾角粒界を介したJ_cは9度まで維持され、この臨界角を超えても臨界電流密度が急激に低下しない(高い特性角)ことが分かった。この臨界角は、銅酸化物系のYba_2Cu_3O_<7-δ>の値3-5度よりも大きく、線材基板の面内配向制御の制約が少ないことを意味しており、鉄系超伝導体の線材応用への優位性を明らかにした。 実際に、イオンビームアシスト堆積法により作製された薄膜線材基板上にCo添加BaFe_2As_2膜を作製し、面内配向度が5-7度の基板でも単結晶基板上と同等の超伝導特性を示す薄膜線材を実現し、高磁場応用の高J_c線材としての応用性を示した。
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