I型カゼインキナーゼ依存的な減数分裂型コヒーシンRec8の切断制御機構の研究
Project/Area Number |
10J09396
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石黒 伸茂 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 減数分裂 / コヒーシン / Rec8 / 動原体 / 一方向性 / シュゴシン / リン酸化 |
Research Abstract |
減数分裂では姉妹動原体が一方向性を有することにより、第一分裂時にペアとなる姉妹染色分体は分離せず同一極へと分配される。この現象は還元分配と呼ばれ、連続する二回の染色体分配を経て安定的に半数体の配偶子を形成するための前段階の機構として非常に重要な役割を持っている。還元分配のときの姉妹動原体の一方向性には、減数分裂機特異的な動原体タンパク質Moa1によって、動原体にやってくるPlo1キナーゼが必要であることが知られており、また、姉妹動原体の一方向性が、本質的にはセントロメア領域におけるコヒーシン複合体依存的な姉妹染色分体間の接着によって成立していることも明らかにされてきた。これらの知見から、コヒーシン複合体が動原体のPlo1キナーゼの標的になっている可能性を予想し、様々なコヒーシン関連因子にPlo1キナーゼのキナーゼドメインを融合して、減数分裂の染色体分配を評価したところ、予想に反してコヒーシンの機能が、融合したPlo1キナーゼのキナーゼ活性依存的に低下する現象がよく見られた。このほか、セントロメアにコヒーシンローダーとして知られるSsl3タンパク質を過剰局在させ、コヒーシンがセントロメアに過剰量やってくるようにすると、姉妹動原体の一方向性に異常を生じた。このことから、セントロメア領域における過剰なコヒーシンの局在、機能が姉妹動原体の一方向性を壊し、Plo1はコヒーシンの機能を抑制することでそれを防いでいるというモデルが推測できる。このモデルは、moa1遺伝子の破壊株で動原体の一方向性が失われるとともにセントロメアのRec8の局在量が増加するという先攻研究における観察結果にも当てはまる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的は、昨年度から「動原体の一方向性」のメカニズムの解明に移行している。コヒーシン関連因子に当たりを付けて、Plo1キナーゼによってリン酸化される部位の特定、変異の導入を行っているが、手法が効率化されておらず、一つの因子にかなりの時間を割くことになったため、やや遅れが生じたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的には現在のようなコヒーシン関連因子のリン酸化部位の探索を行っていく予定である。現在の候補因子の解析により目的の表現型が得られなかった場合、iTRAQラベリングを用いて野生型株とmoa1遺伝子破壊株との間で網羅的なタンパク質のリン酸化比較を行い、リン酸化の差が見られたものの中で、その他の姉妹染色分体の接着に関連した因子や動原体因子などを候補因子として解析していきたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)