Project/Area Number |
10J09475
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 祥吾 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 液晶 / 発光 / 刺激応答 / 集合構造制御 / エキシマー発光 / 配向処理 / 偏光発光 |
Research Abstract |
発光部位にねじれた構造を有する9,9'-ビアントリル(BA)に着目し、液晶化および機能化を試みた。申請者の知る限りではこの分子に液晶性を付与し、バルク材料としての検討がなされた例は無く、新規機能性材料としての発展が期待される。液晶性を発現させるためのメソゲンを導入したBA誘導体を設計・合成した所、BA誘導体は室温を含む温度範囲で液晶性を示すことがわかり、BAにスメクチック液晶性を付与することに成功した。さらに、このBA誘導体は機械的せん断を印加することで発光特性の変化するメカノクロミックルミネッセンスを示した。加えて、この分子は加熱、冷却を繰り返すことで再び元の発光を示すようになった。この再利用可能であるという特性は、材料としての応用を考慮した際に利点となる。 流動性の高い液晶相における刺激応答性材料の開発は、より高感度な材料となることが期待されるが、これまでに開発してきた熱的刺激応答性材料の発光特性変化はそれほど大きくない。そこで流動性の高いスメクチックA相状態において大きな長波長シフトを示すようなエキシマーを形成する材料の開発を行った。立体的にかさ高い置換基を導入することで、エキシマー発光の長波長シフトを引き起こすことに成功した。今後モノマー発光とのスイッチングを達成できれば、大きな発光色の変化を示すスメクチック液晶の開発が期待できる。 本研究では、新規刺激応答性発光材料の開発のための分子設計指針の確立を目指した。熱的・機械的刺激に応答する液晶材料の開発に成功し、流動性の高いスメクチックA相状態においてエキシマー発光の長波長シフトを達成した。これらの結果は、発光材料の開発のみならず、超分子化学、材料科学、光科学など、幅広い分野の研究の進展に寄与すると考えられる。
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